中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

妄想系

「田州土司瓦氏女将の双刀で槍を降す法」など

まとまりのない感じになっているけれど、色々整理がついていない点も含めて、とりあえずの備忘録・頭の体操として。 ******** 少し前にSNSで、倭寇と戦う明軍兵士が双刀をもっている画像が流れてきた。 www.facebook.com その後、地元の図書館に行って、この…

丁汝昌提督の死・・・からの頭の体操

張作霖の軍事顧問を務めた町野武馬の父・町野主水を主人公にした小説『その名は町野主水』を地元の図書館で借りたついでに、同じ著者の『侍たちの海─小説 伊東祐亨』を読んでみた。 北洋艦隊の丁汝昌提督への降伏勧告と、丁提督の自決のエピソードは、なかな…

暴虎馮河の勇 など

加来耕三『大警視 川路利良―幕末・明治を駆け抜けた巨人』(注)をたまたま地元の図書館で見つけて読んでみた。この本の中で、川路良利の受けた伝統的な薩摩の教育のなかで、「いろは歌」「歴代歌」「虎狩物語」など、藩が選定した歌や物語を暗唱した、と書…

華字新聞データベース「Late Qing and Republican-Era Chinese Newspapers」

華字新聞のかなり充実したデータベースを見つけた。 gpa.eastview.com 年代がやや限られるのが惜しいけれど、使い方によってかなりの情報を引き出すことができそうな気がする。 手探りでメモしてきたベルリンオリンピックの国術代表団についても、選考過程が…

武田熙「支那郷村建設運動の実際」 郷村建設と武術2

調べたいことがあって地元の図書館で国会図書館の資料を見ていて、時間があまったので、なんとなく「武田熙」というキーワードを入れてみたら、いくつか見たことのない資料がヒットした。 なかでも、雑誌『新天地』の昭和15年11月、12月号の二回にわたって掲…

満洲国皇帝陛下御一行(1935)

国立公文書館に保存されている、昭和10年の溥儀来日時の資料がアジア歴史資料センターのサイトに公開されおり、団員リストの中に「霍慶雲」の名前があることを確認した。肩書きは「宮内府従士」だった。 出典:満洲国皇帝陛下御来訪に関する件 (全7ページ…

斫削と粘槍 呉殳「単刀図説」の技法についての頭の体操

林伯原先生の『中国武術史』の中に、程宗猷(冲斗)の『単刀法選』と呉殳の『手臂録』巻之三「単刀図説」(以下、「単刀図説」)の各勢を比較した表がある。その中で、例えば、『単刀法選』の「入洞刀勢」と「単刀図説」の「入洞勢」は「勢名は類似するが外…

脱線系・妄想系小ネタのフローアップ

1. アベンジャーズのエンドゲームが公開間近。アイアンマンのロバート・ダウニーJrが詠春拳を習っているというのは有名な話だけれど、アース・ウィンド&ファイアーのFBページに、ロバート・ダウニーJrが、ブギー・ワンダーランドのリズムにあわせて、詠春拳…

稠禅師の武功など

稠禅師は、唐豪以来、初期の少林武僧と紹介されているけれど、その論拠として『太平広記』に、『紀文』(未確認)と『朝野僉載』を引いて、稠禅師が「引重千鈞、拳捷驍武」だと記されていることを挙げている(注1)。 他方、笠尾恭二『中国武術史大観』は、…

真似て近づく

SNSで流れてきた音楽情報をたどっているうちに、フェニックス・ホーンズのウェブサイトにたどり着いた。 www.thephenixhorns.com フェニックス・ホーンズといえば、大好きなアース、ウィンド&ファイアー(以下、字数が多くて面倒なのでEWF)の全盛期…

莫言『白檀の刑』など

義和団事件を扱った、いくつかのフィクション・ノンフィクション(籠城戦のあった北京以外の状況を描いたものを含む 注1)を読み漁っているうちにこの小説にたどり着いた。 莫言の小説としては、このブログを始めるだいぶ前に読んだ『豊乳肥臀』に続けて二冊…

ブレイクダンスの競技化、からの頭の体操

畑違いなのでぜんぜん知らなかったけれど、ブレイクダンス(ブレイキンというらしい)は今年10月にブエノスアイレスで開催されるユースオリンピック(15~18歳対象)の競技種目に採用されていて、今年5月にはその最終予選を兼ねた「第1回世界ユース選…

「パス回し」からの頭の体操

サッカーのロシア・ワールドカップで日本がとった、パス回しの作戦に関連して、為水大氏のコラムが面白かった。 www.nikkansports.com 氏のコラムのポイントは、以下の三点。 (1)W杯はエンターテインメントか勝負か (2)ルールにないことはどの程度ま…

『ジャック・イジドアの告白』、『グレートウォール』、『桃源郷』など

『ブレードランナー2049』の公開にあわせて、2017年の暮れに、フィリップ・K・ディックの小説がいくつか新たに出版されていたらしく、地元の図書館の蔵書がいつのまにか増えていた。『ジャック・イジドアの告白』もそのひとつ。(『戦争が終わり、世界の終わ…

騎士道、武士道、国術魂・・・

何かのついでに目にとまった佐伯真一『戦場の精神史 武士道という幻影』を読んでみた。 戦場の精神史 ~武士道という幻影 (NHK出版) 作者: 佐伯真一 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2004/05/30 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 11回 この商品を含む…