中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フォローアップ

過去のメモのいくつかのフォローアップ1.武術の里 「動態管理」(終身制の取り消し)について、武術運動管理中心社会部主任馮宏芳の取材記事。 2.武術のオリンピック競技種目化 以前、高小軍は、華商報のインタビューで2013年が、競技種目化の「命運年」で…

甄子丹『問・丹心』

甄子丹(ドニー・イェン)の自伝。 最近「武侠」(「捜査官X」)を観て、そういえば1月の中国出張のとき、広州の空港で買っていたことを思い出して読んでみた。幼少の頃の母との武術修行のことや、北京での武術修行のことが詳しく書かれているのかと思った…

老舎『断魂槍』2

先日、老舎の「断魂槍」についてメモしたけれど、その後たまたまあるサイトで、実は老舎自身、武術の心得があることを紹介していた。(最後に全文を引用。)その記事に日本の作家の城山三郎の名前が出てくるので、興味を持って調べてみたら、老舎は「私は国…

スコット・M・ビークマン『リングサイド プロレスから見えるアメリカ文化の真実』

アマゾンで二束三文で購入。このブログの観点から、読み終わって興味深かった点をいくつかメモ。レスリングのスタイルは「ラフ・アンド・タンブル」、「キャッチ・アズ・キャッチ・キャン」、「グレコ・ローマン」などいくつかあったのだけれど、南北戦争の…

老舎『断魂槍』

ずっと読みたいと思っていた、老舎の短編小説『断魂槍』をようやく読むことができた。 大阪大学の杉村博文先生のホームページに、原文、日本語訳があるのを見つけたのだけれど、原文には、詳細な注釈もついていて、すごく勉強になる。時代は義和団事件で武術…

安徽省の伝統武術

以下の記事によると、省レベルの無形文化遺産として、亳州市の晰揚掌、安慶市樅陽県の東郷武術、淮南市の永京拳の三種類があるらしい。いずれも全国的に良く知られている拳種とはいえないけれど、こういう地域に根ざした武術は、今後どうなっていくのか興味…

劉杞栄老師と太空門

太空拳というのは、湖南省の劉杞栄と言う人が創ったものらしい。 劉氏は湖南省体委の初代武術教練で政協委員、かつては抗日第五戦区幹部訓練団などで武術を終えいえていたらしく、太空拳は劉氏が太極拳、形意拳、八卦掌、通臂拳、摔跤、搏撃等のエッセンスを…

『武侠』(邦題:『捜査官X』)

ドニー・イェン演じる主人公の劉金喜は、七十二地煞の一員として、過去に暴虐の限りを尽くしたものの、いまは過去の身分を隠して雲南省の片田舎で暮らしている。だが、村で起きたある事件がきっかけで過去の経歴が疑われることになる。金城武が演じる捜査官…