『武侠』(邦題:『捜査官X』)
ドニー・イェン演じる主人公の劉金喜は、七十二地煞の一員として、過去に暴虐の限りを尽くしたものの、いまは過去の身分を隠して雲南省の片田舎で暮らしている。だが、村で起きたある事件がきっかけで過去の経歴が疑われることになる。金城武が演じる捜査官やその上司たちは、村の一員として、今は全うな暮らしをしている劉を法に基づいて彼を逮捕すべきか、このまま見逃してやるべきか迷う。このあたりは面白かったのだけれど、同じく劉の行方を捜していた七十二地煞が彼の居場所を突き止めたことから急展開に…。
陳可辛監督の作品として、見るのは『投名状(『ウォーロード/男たちの誓い』)』、『十月囲城(『孫文の義士団』)』以来3作目。
『投名状』はともかく、『十月囲城』は、すべてが過剰な感じであまり楽しめなかった。
そしてこの『武侠』。
ボスキャラとして登場するジミーウォング大先生の圧倒的な存在感で、もうすべてが許されるという感じだけと、いくつか疑問も。
点穴の説明などで出てきた変なCGは、ジェットリーの『ロミオ・マスト・ダイ』の「X-rayバイオレンス」(笑)みたいで、ちょっと見てられなかった。
雲南の片田舎という設定なのに、方言を話すのが金城武だけというのは、逆に彼だけが余所者ということを協調したかったのかもしれないけど、なんか違和感あり。
それよりも何よりも、あんな片田舎で湯唯(この人の演技、上手かなあ・・・)みたいな奥さんと子供と暮らしていて、ある日突然失踪しちゃう前夫って、その設定がそもそもありえないだろ。
ところで、七十二地煞を代表して、劉金喜を連れ戻しにくるクララ・ウェイ(惠英紅)。どこかで最近見たと思ったら、『蔡李佛拳』でヒロインのお母さんをやってた人だった。この人、張徹監督の唯一の「乾女児」だそうだけれど、本当の祖先は満州の正黄旗で裕福な家庭だったらしく、文化大革命時代に祖母がなぶり殺しに遭うなどの目にあって、両親と香港に逃げてきたらしい。映画よりこの家族の人生のほうが面白そうだ。
この映画では金象賞の助演女優賞にノミネートされている。以上のネタはここから。彼女が主演女優賞をとった『長輩』の予告編。なんだかノリノリで楽しそう。
最後に、『捜査官X』という、訳のわからない邦題を何とかしてほしい。
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