中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

清代の人口増加の武術への影響 過去メモから

以前にもメモしたけれど、陳舜臣の小説『阿片戦争』にはイギリスとの戦争に備えて組織された自警団やそれを指導する武術家が登場するけれど、自警団が組織されるのはイギリスとの対抗というよりも、急激な人口増加と流動人口の増加による治安の悪化に対処す…

さまざまな普及のかたち

4月6日カメルーンで開催されたアフリカ武術フェスティバルについて、グーグルから流れてきたのは中国外交部の報道だった。 驻喀麦隆大使魏文华出席首届非洲武术节 — 中华人民共和国外交部 中国は駐カメルーン大使が開幕式で祝辞を述べるなどの力の入れようで…

楊祥全「洪洞通背拳:失传的太极长拳―兼论太极拳研究的一个可能路径」

紅拳について調べていて、たまたまヒットした論文。 全文は以下のリンク先に。 洪洞通背拳:失传的太极长拳―兼论太极拳研究的一个可能路径_学术论文网 作者の楊祥全は、洪洞通背拳についての技術解説書も出しているけれど、そちらは未入手。 初出は《搏击· 武…

『中原の虹』など

浅田次郎の『蒼穹の昴』シリーズの『珍妃の井戸』と『中原の虹』をGW前後に読了。 この本では袁世凱が太極拳をやっている場面があったり、袁世凱暗殺を狙う刺客が武芸百般の達人という設定になっていたり(第五章に出てくる慶寛)、張作霖の拠点の新民府の舞…

清代陝西塩商と会党と武術  楊宝生・王培仁「走近紅拳的大師們」など

四川省自貢市は塩の都といわれ、岩塩が有名だけれど、ここの塩田は陝西省の商人たちが開発をしていたらしい。 四川の塩田の関係者10人中7~8人が秦人であったともいい、現在自貢市にのこっている塩業歴史博物館も、もともと陝西商人の同郷会館であった建物ら…