中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

安徽省の伝統武術

以下の記事によると、省レベルの無形文化遺産として、亳州市の晰揚掌、安慶市樅陽県の東郷武術、淮南市の永京拳の三種類があるらしい。いずれも全国的に良く知られている拳種とはいえないけれど、こういう地域に根ざした武術は、今後どうなっていくのか興味が持たれる。

晰揚掌は回族の武術で、安徽省内の、同じく回族武術である査拳門の人々が兼習する形で伝承されてきたらしい。言われてみると、その動作は査拳と似ていないこともない。(晰揚掌の動画

東郷武術は、唐代の武将の子孫が福建省から移ってきたことがその起源と結び付けられているけれど、詳しいことはよくわからない。清の嘉慶、道光、咸豊年間あたりがそのピークで、「三十六名教」といわれるような名人たちを輩出したという。太平天国軍との戦いの中で一致団結できなかったことがトラウマになって、互いに対立しあうようになったのが衰退を招いた一因らしい。動画はここ

永京拳は、『抱朴子』の葛洪にまで遡るという。これはまた大きく出たなという感じだけれど、葛氏の子孫である葛永志が、「葛家拳」をもとに1970年代末に発表したものらしい。「葛家拳」というのは、葛錦貴(1861——1947)が、家伝の「神仙養生功」を自衛御敵の技に改変したものだという。葛永志は、葛錦貴からみて三代目にあたり、第三代継承者ということになっている。しっかりホームページもあって、弟子は日本にもいることになっている。
もともとの葛家拳は九式しかないみたいだけれど、このインタビューでは、八十一種類の拳術套路、八十一種類の功法、八十一種類の武器がある、と言っている。なんとも中国は奥が深い。動画もたくさんある。

関連する記事の中に、安徽省の地方拳種として、さらに九華山拳なんていうのも出てくる。この拳法は九華山の僧・何九天が創ったものだという。何九天は幼い頃から武當派の武術を学び(僧侶なのに?)、各地を巡り歩いて20年をかけてこの拳法を編み出したという。何の伝承者には氏名不詳の一是「哑人」と江小鶴という二人がおり、このうち「哑人」の伝承は徐矮子、杜心武、万籟聲に連なると書かれているけれど、詳しいことはわからない。

挽救传统武术文化于濒危
全球功夫网 编辑:韩峰 日期:2012年07月03日 点击:1866593
可能很少有人知道:太极拳是由江南府徽州歙县许宣平于唐代创造;徽州休宁程宗猷在明代著有 《少林棍法阐宗》,比戚继光的武术著作《纪效新书》早问世100年。然而,这些具有武术里程碑和标志性的安徽传统武术正因各种原因,逐步走向消亡,其速度远远超过其他类型的非物质文化。来自阜阳师范学院体育学院的省政协委员刘勇近日呼吁我省加快申报非物质文化遗产步伐。

刘勇说,随着社会的发展和进步,本质上是一种搏杀术的传统武术在工业文明冲击下,已经失去了其主要的生存价值作用,而逐步被边缘化。传统武术又不同其他非遗项目,它除了要口传身授,还需要的是身体力行。如果传承人年龄大了,筋骨不灵了,就难以进行传统武术技艺和功法的展示、演练和教学。令人遗憾的是,目前民间享有盛名的武术大师或已辞世,或年岁已高。另外,传统武术的体育属性也影响了其发掘申报的步伐。根据非物质文化遗产法的规定,文化主管部门“负责非物资文化遗产的保护、保存工作”。文化部门在非物资文化遗产保护方面,关注较多的是民间文学、传统音乐、传统舞蹈、传统戏剧、传统曲艺、传统美术等方面。而体育部门主要关注的竞技体育,很少关注传统体育的非物质文化属性问题。

据刘勇介绍,安徽省虽然公布的非物质文化遗产名录中已有亳州市的晰扬掌,安庆市枞阳县东乡武术、淮南市永京拳三项民间传统武术,但是还没有一项入选为国家级非物资文化遗产名录,就已经入选的三个项目与安徽省种类众多传统武术比较,还有很大的差距,还有很长的路要走。

刘勇呼吁我省应就安徽传统武术这一非物质文化遗产的保护问题,设立申报、保护专项基金,把调查、抢救传统武术、培养传承人的经费列入政府财政预算。他建议省文化和体育两部门共同联手,商请高校相关专家学者和武术爱好者参加,对安徽省地域内的民间传统武术拳种、套路等内容进行广泛的调查挖掘,理清安徽传统武术的“濒危”现状,以便制定出切实有效的具体保护计划和措施;并适时举办安徽省传统武术展演,定期举办安徽传统武术比赛;在民间武术学校和武术传统体育学校中开展传统武术的教学和训练,以此保护安徽传统武术这一珍贵文化形态。

本文来源:江淮时报 记者:曹碰
http://www.qqgfw.com/News_1Info.aspx?News_1ID=12515