中国功夫文化発展委員会、国際功夫委員会など
8月21日に北京で「中国功夫文化の発展の方向と道筋を探る座談会」なるものが開催されていたらしい。
座談会を主催した中国功夫文化発展委員会は、公式ウェブサイトで自ら紹介するところによれば、中国文化部直属の社会主義文藝学会が2017年に正式に批准して設立された、中国功夫文化の研究、創作と交流を専門的に行なう機構で、中国国内において功夫文化の研究と伝播を行なう唯一の全国的プラットフォームで、中国功夫研究における「ナショナルチーム」であるという。活動の一環として、人民公安出版社傘下の群衆出版社から『中国功夫』(未見)を発行している。気が付かなかったけれど、今回のような座談会は、過去にもなんどか開かれていた模様。
「プラットフォーム」の原文は「平台」。英語からそのまま直訳的に中国語に取り入れられたのか、近年いろんな文章でよく見かける。
「 ナショナルチーム(国家隊)」と豪語する陣容は、新たに招聘された人物の名前が、座談会の記事のなかに出てくる以外はよくわからない。公式ウェブサイトにでている顧問委員会、専門家委員会の名簿を見る限り、直接は武術と関係なさそうなお歴々の名前が並んでいて、とても権威はありそう。
会の活動としては、上記のとおり『中国功夫』の発行と、年ごとの「功夫人物」の表彰、「「功夫標準」の創立」、「オリンピックの競技種目化の推進」などがあげられている。「功夫標準の確立」とは段位制のことを指しているのか、別のことなのかは、この記事だけではよくわからない。
委員会の活動は、 世屹集団という企業の資金によって支えられている模様で、董事長の徐志鵬氏は「国際功夫委員会」なる機構の副主席と秘書長を兼ねているらしい。
「国際功夫委員会」という、よくわからない名前が出てきたので、ついでに調べてみたら、英語と中国語の公式ウェブサイトがあって、2014年6月19日付けの「功夫宣言」なる文章が掲載されているけれど、ニュースや賽事はずっと更新されていないようで、2015年の年会がメルボルンで開かれたということ以外、活動の中身はよくわからない。
中国功夫文化発展委員会の専門家委員会の名簿の中で国際功夫委員会主席として名前の出ている翟継栄はもともとバスケットボールの人で、今はクンルンファイトの副総裁も務めているらしい。
クンルンファイトについては以下のサイトが参考になる。
散打のことをあまりフォローしていないけれど、今年5月からはじまった「中国武術散打倶楽部超級聯賽」は、意外なことに、国家体育総局武術運動管理中心と中国武術協会が連繋して主催するはじめての散打類の賽事だということのようなので、クンルンファイトを含む、それ以外ものものは地方のテレビ局などが主催する商業イベント(?)に分類されているのだろうか。このあたり、いろんな動きが起きている気がする。
以下の動画に出てくる上海の孫剣群は、今年5月の高段位認定で九段に認定されている人だ。