中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

『東亜競技大会番組表』 国会図書館デジタルコレクション3

国会図書館の『東亜競技大会番組表』、以前に調べたときはデジタル化されていなかったのだけれど、改めて調べてたらデジタル化されており、提携図書館での閲覧が可能になっていたので、さっそく地元の図書館に見に行ってきた。

 

東亜競技大会番組 (大日本体育協会): 1940|書誌詳細|国立国会図書館サーチ


「紀元二千六百年奉祝東亜競技大会」、総裁は秩父宮雍仁親王殿下、大会役員の中に、「新中国体育協会会長 褚民誼」の名前が見える。

 

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国術は競技ではなく「公演」という形で6月6日、8日、9日に行われており、団員リストは6月5日(P.32)、6月9日(P.60)のところに2か所でていた(メモをとらなかったのでうろ覚え)。
6月5日のメンバーは以下のとおり。

汪華亭 藍田 丁文林
向徳全 曹達 楊巨才
李光亜 賀春全 王宗瑞
葉秉衡 喬英林 毛信洛

6月9日のメンバーは、喬英林と毛信洛が見えないかわりに、喬栄林、毛唐洛が見えるのは単に誤植で同一人物なのかもしれない。

 

以前にメモした関西大会のメンバーともほぼ被っているようで、

関西大会の番組表で文字を判別できなかった
・王宗[王+蘭](?)が 王宗瑞
・毛〇(?)林 が 毛信洛または毛唐洛
・李興亜 が 李光亜
・何葆(?)杲(?) が 向徳全

だとすれば全員が一致する。(ただし、東京の団員表には団長の名前の記載は無い。)

 

これらの人物に関しては、前にメモしたけれど「賀春全」が三皇炮捶の「賀春泉」ではないかと思われるだけで、ほかの人物については、いまのところ情報がない。

 

zigzagmax.hatenablog.com

 

 

なお、改めて「術」というキーワードで検索をかけたら、いままで見落としていた(?)もので面白そうなものが二つヒットしたので、デジタル資料ではないけれど、あわせてメモ。

 

1.『國術講話』趙竹光編著

國術講話 (商務印書館): 1947|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

タイトルはいかめしいけれど、小学生向けの、全28ページの小冊子らしい。

著者の趙竹光は、重量挙げが専門の人のようだけれど、柔道や摔跤(レスリングなのか、中国のシュワイジアオなのかは不明)の心得もある模様。

baike.baidu.com

 

2.『穿拿拳』胥以谦著

穿拿拳 (商务印书馆): 1900|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

 著者の胥以謙は、中央国術館で1934年から編審処副処長を務めていた人らしい。

 データベースにある、出版年が1900年というのは間違いだろう。

 

『穿拿拳』は

wgwushu.com

 

胥以謙は、江蘇省南通の王家拳(王家手)の伝承者らしい。

www.ntjoy.com

 

胥以謙は、ほかに『三才剣図解』『練歩拳図説』などの著書があるらしい(いずれも未見)。『三才剣図解』『練歩拳図説』も、再販されたものはすでに品切れのよう。

商品搜索_星僑網路書店

 

以下のページによると八極拳に関する著作もあるようだけれど、中央国術館と関係がありそうなので、入手できるものなら入手してみたい。

胥以谦 - 维基百科,自由的百科全书