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中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 ※2015年2月、はてなダイアリーより移行

鳥跡

明代武術

一念発起して、今年は中国武術の古典を少しずつでも読もうと思っている。
手始めに『手臂録』。テキストは人民体育出版社の『中国古典武学秘籍録(上)』。ほんの少しずつ読み進めていて、「一圏分形入用説」にたどり着いた。

ここで、呉殳は槍の尖端が描く運動の軌跡を七種類に分類しているのだけれど、それは師(石敬岩、程真如のふたり?あるいはそのいずれか?)から教わったものではなく、屋根瓦の波(仰覆)を見ていて自ら悟るところがあったのだという。

「槍の尖端が描く運動の軌跡」と書いた部分の原文は「槍法元神鳥跡図」。

鳥跡は手元の電子辞書の大辞林では、(1)鳥の足跡、(2)(中国で。黄帝の時、蒼頡が鳥の足跡を見て文字を考案したという故事から)漢字。また、文字。鳥の跡。・・・と二つの意味が書いてあるけど、やや違和感がある。

で、調べてみると白居易の詩「観幻」に「鳥跡印空中」の詩句があるのがわかったのだけれど、空中に鳥の足跡が残るというのもおかしいので、やっぱりこれは鳥が飛翔した軌跡とか残像と理解したほうがよい気がする。

屋根瓦の波、と書いたのは、「屋瓦之仰覆」。
仰覆も単語としては手元の辞書には載っていなかったのだけれど、仏教には「仰覆世界」という言葉があるらしい。これは華厳経が説くさまざまな世界の中に、仰世界、覆世界という言葉があって、仰世界というのは日常世界、覆世界とうのは、蜂の巣をつついたような、というので乱世を指すようだけれど、結局「仰世界即是覆世界,覆世界即是仰世界」ということばに纏められている。

・・・と諸々脱線しながら読み進めていくのは結構楽しくもあるのだけれど、いつになったら読み終わるだろうか。いま挙げた箇所だけでも「元神」についてはきちんと検討できてないし。
まあ、あせらないで気ままにゆこう。