中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

2013-01-01から1年間の記事一覧

山田賢『中国の秘密結社』

以前メモした宮崎市定「毘沙門天信仰の東漸について」では、仏教が西域経由で中国に伝来する過程で、祆教(ゾロアスター教)と習合したことが、毘沙門天信仰を例に述べられていた。その毘沙門天信仰は、宋代に盛んになるも次第に廃れ、それにかわるように関…

小倉孝誠『“女らしさ”の文化史―性・モード・風俗』

地元の図書館にあったのを読んでみた。プロローグに、「身体の文化史を綴るにあたって、私は本書で、人類の半分を占める女性の身体(とりわけフランス女性の身体)について語ろうと思う」とあり、この本は筆者の、身体の文化史に関する論考の一部(半分?)…

武術運動管理中心の2013年活動方針

武術運動管理中心のホームページに、2013年の活動方針と、それに関する高小軍主任の解説らしきものが発表されている。 2012年の活動方針と比べると、武術文化公共服務体系の構築、という、なんだか新しい単語が唐突に出てきた気がするけれど、具体的な措置と…

湖北省の地方拳種

武術網に、湖北省黄石市に属する「県級市」、大冶市の「土生拳種」である孔門拳についての記事が載っていたのでこれを機会に湖北省の省級非物質文化を調べてみると、これまで3回発表されているリストの中で、武術に関するものは、第1次リストの中に 武穴市の…

緊那羅王はヘラクレスの末裔である?

宮崎市定「毘沙門天信仰の東漸について」(『中国文明論集』所収)は、毘沙門天の起源を、祆教(ゾロアスター教)のミトラ神ではないかという仮説を示していて、いろいろな意味で興味深かった。インドの仏教が中央アジアに入り、祆教と接触する過程で、仏教…

「中国搏击选手生存状况调查」

重慶時報の記事をポータルサイト捜狐が転載した記事。ここで紹介されているKFK搏撃大賽(Kung Fu King)というのは、国際武術搏撃争覇賽のことで、中国武術協会が主催、重慶市南岸区人民政府、重慶ラジオ・テレビグループなどが実施を請け負って実施されて…

2012年の官方武術界総括

2012年を振り返る、ふたつの記事。一つは高小軍のもの。武術行政サイドとしては、段位制の導入を柱とする「標準化」と武術界の一致団結の二つを引き続き重視していることがわかる。閻芳問題があれほどクローズアップされた理由もそこから理解できる気がする…