『吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー』
JCOMでやっていた本作をはじめて鑑賞。
それまでの武侠映画に、徒手空拳によるアクションという新境地を開拓したと評される本作。ストーリー的にはきわめてシンプルで、「師匠を殺された主人公が修行して強くなって仇をうつ」(24字)、というもの。
アクション的にもとてもシンプルな分、ジミー・ウォングの感情がうまく表現されている気がする。片腕ドラゴンシリーズもそうだけど、この人は技のキレよりも感情のこめ方で人をひきつけるものがある気がする。
ところで、本作の原題、『龍虎門』と書いているサイトがたくさんあるけれど、どうやら本当は龍虎「門」(men)ではなくて、龍虎「鬥」(dou)、簡体字では「斗」が正しいらしい。
似たところで、ドニー・イェンの『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート/龍虎門』というのがある。この映画の原作漫画『龍虎門』は1970年に連載がはじまっているようだけど、こっちのストーリーは、王小虎、王小龍、石黒龍などの「龍虎」が協力して「龍虎門」を作るというお話らしい。なので、龍虎「門」で間違いない。
ややこしいけど、一方は龍虎「門」、他方は龍虎「鬥」で全く別もの。
日本語でも「竜虎相打つ」とか普通にいうと思うので、別にドラゴンとタイガーでもよかったはずなのに、どうしてタイガーをジャガーにしてしまったのかは謎。
ちなみに、本作をみたブルース・リーが、「俺のほうがうまく作れる」と言ったとか言わなかったとかいう話があるけれど(『ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!』)、そのブルース・リーのハリウッドデビュー作にして遺作というべき『燃えよドラゴン』の原題が『龍争虎鬥』(注)。
龍と虎が戦っているならまだいいけど、ジェット・リーになると、ニワトリ対ムカデに(『黄飛鴻之鉄鶏鬥蜈蚣』(邦題『ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ/烈火風雲』)。ジェット・リーが鉄兜をかぶって鶏の真似をしながら、大ムカデと戦うという奇妙奇天烈な映画だけど、黄飛鴻の堅物ぶりをからかうところとか、遊び心満載で結構気に入っている。こころなしか、ジェット・リーも楽しそう。
※仇役のロー・リエの目ぢからが素晴らしい。どことなく、マリーンズの今江選手に似てる気がする。
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(注)当初『龍争虎鬥』は邦題『ドラゴンへの道』と勘違いした記述になっていました。そうではなく『燃えよドラゴン』だよと指摘があり、前後の記述とあわせて若干訂正しました。
なお、もともとの記述は以下のとおりでした。
「ちなみに、本作をみたブルース・リーが、「俺のほうがうまく作れる」と言ったとか言わなかったとかいう話があるけれど(『ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!』)、そのブルース・リーの初監督作品『ドラゴンへの道』の原題が『龍争虎鬥』なのは、なにか因縁めいている気がする。クライマックスで空手家と対戦するところも共通している。もっとも、『龍虎鬥』では、空手に対抗するには軽功と鉄沙掌を合わせて使うことじゃ、という師匠の教えがあったけれど、ブルース・リーにはそんなの関係なし。」