中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

少林寺

「詠春拳、少林寺に帰る」?

日本では『葉問 終極一戦』が公開中、イップ・マン人気はまだまだ続いているなか、中国では詠春拳をめぐって嵩山少林寺まで巻き込んで、ちょっとした問題が起きているようだ。東方早報の10月11日の記事をもとに、確認できたところを時系列的に並べてみる…

緊那羅王はヘラクレスの末裔である?

宮崎市定「毘沙門天信仰の東漸について」(『中国文明論集』所収)は、毘沙門天の起源を、祆教(ゾロアスター教)のミトラ神ではないかという仮説を示していて、いろいろな意味で興味深かった。インドの仏教が中央アジアに入り、祆教と接触する過程で、仏教…

小島毅『近代日本の陽明学』

近代日本において陽明学は、一方で学術的な研究対象として扱われつつ、他方では政治家や志士たちの行動を支える実践的な学問として捉えられていた。後者の系列において、自らの良心(良知)に基づく行動(実践躬行)を正当化する行動原理としての陽明学は、…

岳暁峰「我看電影《新少林寺》」

ネット上で見つけた記事。もともとは雑誌『少林与太極』に掲載されたものらしい。作者の岳暁峰という人については、検索してもあまり情報が得られず、どういう素性・立場の人かよくわからない。この文章、主張があっちに行ったりこっちに行ったりしてわかり…

「太極拳発源考論」(鄭州大学体育学院中原武術文化研究中心HPより)

中原武術文化研究中心に掲載されている論文。なにかの手違いで、作者の名前が落ちてしまっているようだけど、鄭州大学体育学院中原武術文化研究中心の研究者と、南京大学歴史学部の研究者が共同で執筆したもののようだ。 少し前にメモした王広西氏の論文では…

西部少林寺

福建省の投資グループが重慶市江津区で3億元をかけて「西部少林寺」を建設するプロジェクトがスタートしたという。嵩山少林寺は、天津に分院を建設したり、雲南省の4つの寺院を委託管理しているけれど、今回は嵩山少林寺のプロジェクトではなく、泉州南少林…

ぬきうちテスト

この記事によると、あまりにもサービスが悪いので5A級景区の認定を取り消される危機にあった「少林景区」は、国家旅遊局による抜き打ちテストに合格して、当面のあいだ降格の恐れを逃れることができたらしい。 そういえば、僧侶による通訳ガイドとか、まだ続…

少林寺の声明

少林寺は4月25日付で声明を出し、最近、少林寺や少林武僧の名を語って表演や占い、薬の販売などを行うものがいて、少林寺の名誉を傷つけているが、少林寺の外部で「少林寺」や「少林武僧団」、「少林和尚」、「少林武僧」を語っている武術学校その他は、いず…

阿徳「緊那羅考」など(釈永信編『少林学論文選』所収)

以前に、少林寺の守護神といわれている「緊那羅」について、釈永信方丈が、「本来は「那羅延執金剛」神 であった」という考えを示していると書いた。この問題について、ずっと考え続けてきたわけではないのだけれど、最近、中国のダウンロードサイトから入手…

武の聖地・・・

北京で「両会」の開催時期が近づき、それにあわせて、いろいろ水面下の運動が行われるようだ。少林寺は、釈永信方丈が北京入りする前後から僧侶によるボランティア観光ガイドを開始。 あまりにも商業主義でサービスの質が悪いために「少林寺景区」の「5A級…

緊那羅

現代武術を「様板武術」と批判している少林寺の釈永信方丈、少林寺における武術は、あくまで仏教の修行の一部であって、本来は「少林功夫」と呼ばなければならないと主張している。いいかえると、修行という側面が伴わない、単に人を撃つための技術練習は「…

報奨金5万元

少林寺方丈の釈永信が外国に多額の預金と別荘をもち、さらに愛人と子供までいるという噂が広がっている。少林寺はこの悪質な噂に対して徹底的に戦う姿勢を示し、発信源に関する有力な情報を提供した人に対して5万元の報酬を払う、としてHP上で協力を呼びかけ…