郭士銓、張長海 日本武術視察団(1930)2
郭士銓『搏擊』という書籍がネットで売られていて、調べてみたら、郭士銓は、1930年に中央国術館が日本の格闘技事情を調べるために組織した訪日団のメンバーの一人だった。当時は三等教員で、日本では、神保町の柔道道場・前田道場で、「藤昌憲」という師範から丁寧に指導を受けたよう。
〇郭士銓『搏擊』
以下の記事によると、この訪日団のメンバーは、「唐豪(編審處長)、朱國楨(教授)、楊松山(教授)、楊法武(一等教員)、李元智(一等教員)、郭世銓(三等教員)及張長海(三等教員)。」
張長海という人について、よく知らないなあと思って調べてみたら、河北新城出身の人で、兄の張長義、張長信、張長海とともに馬玉堂に形意拳を学んだ人らしい。上海にでて中華武学会で活動していた張長義と張長信は、朱国福、朱国禄兄弟とともに第一回国術国考に参加。張長義(当時30歳)は最優等15名に名を連ね、張長信(当時25歳)は中等82名の中に名前が見える。二人ともに最優等だった朱国福(38歳)、国禄(28歳)兄弟には及ばないものの、武術名門に恥じない活躍をしている。張長信は、その後、王薌齋に意拳、呉翼輝に六合八法拳を学ぶ。
神田神保町の前田道場とか、藤昌憲とか、具体的な名前がでてきたけれど、日本側にはなにかこの訪日団についての記録は残っていないのかなあ。