脱線系・妄想系小ネタのフローアップ
1.
アベンジャーズのエンドゲームが公開間近。アイアンマンのロバート・ダウニーJrが詠春拳を習っているというのは有名な話だけれど、アース・ウィンド&ファイアーのFBページに、ロバート・ダウニーJrが、ブギー・ワンダーランドのリズムにあわせて、詠春拳の動作の混じったダンスを披露している動画がアップされた。アベンジャーズ、アースが好きな中国武術愛好者としては鼻血の出そうな展開。
ところで、この予告編のように、『ジャスティス・リーグ』の中でアクアマンが矛を下向きに持っている場面があるのは、個人的にはすごく違和感がある。
2.
ドラゴンゲートのCIMAが立ち上げたOWEが日本に上陸。以下の記事の中には、リング上でCIMAが「銀槍刺喉」をやっている写真が。これぞ21世紀のプロレスか? 今後、中国武術界の若者たちに与える影響や如何に。
3.
職場近くの図書館の松枝茂夫訳『周作人随筆』のなかに「傅青主について」というエッセイがあった。
傅青主(傅山)といえば、『七剣下天山』などの武侠小説のなかでも重要なキャラクターの一人だけれど、最近では「傅山拳法」とか、「傅山太極拳」の始祖とされ、関連する本も出ている。
周作人のエッセイでは武術のことには一言も触れられていないけれど、傅青主は儒・道・仏に通じ「どこにも偏執することがなかった」人物と評されている。八股文などの形式主義や旧套墨守の権威主義を嫌っていた人のようだ。
以下(「」)はエッセイのなかで引用されていた傅青主の文章の一部だけれど、「死んだ犬は垣根に登れぬ」など、なかなか激しい言葉使いだと思った。傅青主の伝とされる武術を彼自身が見たら、どんな反応をするのだろう。
ちなみに、周作人によれば傅青主は八股文を嫌っていたものの、顔習斎のように(嫌いだとは)はっきりは言わなかった、ということなのですが、ここで顔習斎がでてくるところは、武術オタクとしてはニヤリとするべきところかもしれない。
理書(宋以来の儒教哲学書)を読むには特に依傍(もたれかかる)の義に着くべからず、太悟の人は先後一揆、勢易(かわ)り局新たなりといえども、大同を礙(さまた)げず。奴人のごときはかつて人心の空霊法界を究め得ず、ただ後生大事に前人の一半句の註脚を守りて、我は本(もと)ある学なりと言う、正に是れ人の脚の後跟に咬みつくシロモノ、死んだ犬は垣根に登れぬとはてっきりこのことなり。 P.198