高校受験と武術 武術進校園5
澎湃新聞の記事によると、河北省の人民代表大会で、滄州の尹広軍は滄州の中小学校において、伝統武術を取り入れようという提案を改めて行ったらしい。
同記事によると、滄州市では2009年には伝統武術を学校教育に取り入れるため、滄州市体育局が市内で行われている53門派の拳師を組織して「滄州市武術進学校工作教材創編小組」を組織し、「小（児？）八極拳、小児初級拳、小児武術器械などの伝統武術の系列教材」を編集したほか、200余名の武術家が、市内の大中小学校の体育教師に研修・技術指導を行い、その成果は2010年の滄州国際武術フェスティバルでも披露されたが、ここ数年は次第に掛け声だけになり、本当の意味では実行されていない、ということで、市教育局と体育局に、改めて確実な実行計画の策定を求めている。
さらに、同記事によると、尹広軍は河南省焦作市で高校への進学に陳氏太極拳３８式がが採用されている例にならい、進学にあたって武術の成績が一定程度考慮されるようにすれば、保護者や学生の関心が得られるだろう、と言っている。焦作市の高校受験で実際に陳式太極拳がどのように位置づけられているのかはよくわからないけれど、いずれにしも、そういった「にんじん」をぶら下げないと、いまどき武術などやる人は確保できないということなのか。
他方で、武術競技は種目がかなり細分化されていたり、採点が主観的であったりするため（特にアマチュア競技の採点）、大学受験においては参加人数の少ない種目でいい成績をとれば有利、といった点がかなり前から指摘されていて、2010年、湖南省の例は全国的にも報道されていた気がする。それを考えると、あまり実利で「釣る」のもいかがなものかと思う。
個人的には、50代になるまでほとんど風邪もひかず、メンタル的にも壊れず社会生活が送れているだけで、外国人の一愛好者としては十分すぎる恩恵を受けていると思う。壊れていないと思っているのは自分だけかもしれないけれど。
