伝統武術の回復、規範化など
年末年始に目に留まったニュースから。
1.伝統武術の保護、規範化
北京市で、市の非物質文化遺産でもある通背拳の「恢复项目」の起動を宣言したという記事。具体的な中身がよくわからないけれど、「恢复项目」とは、本来の姿を回復させようというプロジェクトのことか。
通背拳恢复项目在北京启动 多位传统武术专业人士出席_体育_腾讯网
これとの関連で、陝西省で、紅拳の「規範套路」についての検討が行われたという記事もあった。ここでは具体的に「伝統紅拳36勢法」の編纂が目指されている模様。「伝統紅拳36勢法」のやり方を手本として、伝統套路の動作の手本にしてもらおうという考えらしい。
個人的には、伝統武術の型は、無理に統一しなくてよい(というか、できない)と思うけれど、あまりにもバラバラだと、伝承や普及には不利な面もあるのかもしれない。今後の動きに少し注目しておきたい。
そういえば、武術運動管理中心や、武當山のある地元政府の肝いりで、武當拳と武當剣の標準型をつくるというプロジェクトもあったはずだけど、あれはいまどうなっているのだろう。
2.演劇『大師』
上海体育学院が、蔡龍雲を題材にした演劇『大師』を製作、公演したという記事。
蔡龍雲が名を挙げるきっかけになったボクシングとの対抗戦については何度かメモしてきた。蔡龍雲は、建国後の武術競技の制度を、理論的にも、実務的にも支えて大きな足跡を残した人だと思うけれど、こんな形で芝居にしてしまうのは中国的で面白いと思う。
この公演の関連記事で、1943年のマスロフとの試合当時の新聞記事を貼り付けているものもあった。
以前にメモした何金章は、記事では摔角代表で、史馬諾夫に負けたことになっている。
記事が記す勝敗は以下のとおり。
対抗戦とあわせて大力士王子平と男女の公子による剣術の表演、蔡桂勤による春秋大刀の表演、日本技術家による剣術の表演が行われた模様。
あと、この記事では、蔡龍雲の年齢について、丁虎生と同様「年方十六」と記している。
〇張玉峯(国術) ×拉柴(ボクシング)
〇蔡龍雲(国術) ×馬沙夫(ボクシング)
〇丁虎夫(国術) ×凱伯倫(ボクシング)
〇黄紀昌(国術) ×佛利特門(ボクシング)
×潘梓明(国術) 〇馬丁(ボクシング)
〇孫寶瑞(摔角) ×美聖(ボクシング)
×何金章(摔角) 〇史馬諾夫(ボクシング)
〇白玉山(摔角) ×鮑拉古夫(ボクシング)
〇出典:校园大师剧《蔡龙云》剧情抢先看,感悟蔡龙云先生的为人、为师、为学之道! - 雪花新闻