「蕩寇風雲 God of War」など
倉田保昭が映画「蕩寇風雲 God of War」の演技で香港電影評論学会の最優秀男優賞を受賞したらしい。
倉田保昭が演じているのは、松浦藩の若頭を中核とする倭寇の軍師のような存在で、
サモ・ハン・キンポー演じる兪大猷、チウ・マンチェク演じる戚継光らと対戦する。
飄々とした立ち居振る舞いや、最後のチウ・マンチェクとの一騎打ちは見ごたえがあり、この演技が高く評価されたこともうなづけた。
この映画は、最優秀男優賞以外にも、最優秀脚本賞を受賞しているけれど、以下の記事の中で、陳嘉上監督が「倉田先生が受賞したことが一番うれしい」と語っていることがうれしい。
作品は、倭寇のなかにも中国人や日本の浪人、武士などが混じっていること、倭寇に対抗する明朝のなかにも中央の政局との関係でさまざまな駆け引き・足のひっぱりあいがあり、それが前線にまで影響を与えていることが丁寧に描かれていた。
よくは知らないけれど、戚継光が夫人の尻にひかれているような描写も史実に基づくものらしい。(この様子を見るに見かねた戚継光のとりまきたちが、夫人をなきものにしてしまおうと企むのも史実に基づくもの?)
中国側の腐敗ぶりを描く一方で、極悪非道の倭寇の一団の中にも真の武人がいた、というような映画は、メインターゲットと思われる中国大陸の人々には受け入れ難かったのか、興行的にはあまり奮わなかったらしい。
それでも倭寇役の倉田保昭を受賞させてしまったところに、この学会の気骨のようなものを感じるのは考えすぎか。
香港電影評論学会の過去の受賞作品をみると、最優秀作品賞をウォン・カーウァイの「楽園の瑕」や「グランドマスター」が受賞しているのは、ちょっと自分の趣味とはあわないけれど、ジョニー・トー作品がたくさん並んでいるところは嬉しく、地元のツタヤにあるのを知りながらあまり手が伸びなかった「燃えよ!じじいドラゴン」もちょっと見てみたくなった。
全体的に火器による戦闘シーンが多いなかで、戚継光が兪大猷に棍の教えを受けるシーンの二人のアクションはカッコよかった。
映画にも歴史顧問として名前がでてくる南京師範大学・酈波副教授による「百家講壇」の「抗倭英雄戚継光」シリーズ。全14集。メモしておいて時間があったらみよう。
CCTVのドラマ。こっちもタイトルは「抗倭英雄戚継光」。全30集で、
以前、途中まで見て挫折してしまった。これもここにメモしておいていつか見よう。
このアニメもいつか見てみたいなあ。