中華幼児武術級位制など
1月初旬に天津で、「関心下一代・全国幼児武術教育工作発展検討会」なる会議が開かれていたらしい。
会議を主催した「中国関心下一代工作委員会」には健康体育発展中心という部門があって、さらにその下に「少児武学伝承研究院」なる組織があるらしい。
その「少児武学伝承研究院」の常務服院長の王天明が董事長をつとめる北京日月天地体育文化有限公司が実行部隊として、昨年11月にも全国首届幼児武術運動会が開催されている。
少児武学伝承研究院は全国の省レベルに分院を作ろうという構想ももっているようで、なんだかとても勢いがあるように見える。
1月の会議では、今後の少年児童向けの武術普及の3年計画なるものが議論されたようで、
・六月一日(中国の子供の日)の大型イベントにおける武術の積極的に紹介する
・中央テレビの2019年の「春晩」(日本の紅白歌合戦にあたる人気番組)の武術についてのコーナーを活用する
・教育体制、教員の資格制度を整備
・「中華幼児武術」の普及促進
などがあげられている。
数値目標的なものとして、「100都市、100万人」という数が掲げられているのも興味深い。
彼らが普及しようとしている「中華幼児武術」 には一級から六級まで六段階あり、「中華幼児武術級位制」といっているらしい。これは北京市武術運動協会の小児武術研究会の活動ともリンクしているように見える。
本家の「中国武術段位制」にも、「段」に到るまえの「級」が想定されていて、教材も作られているはずだけれど、それとどう対応しているのかなど、詳細はよくわからない。
ちなみに、教育部と体育運動総局が小中学生向けに「旭日東昇」、「雛鹰展翅」、「英雄少年」、「功夫青春」の四つの型を作ったときの2012年の報道をみると、「2014年には85%の普通小中学校で武術の授業を設置する」と書いてある。この目標はどうなったんだろう。
地方は地方で、各地の伝承に応じた普及用の教材を編集したりもしているようだし、どうもこのあたりは役所の縦割りの弊害があるような気もする。
〇幼児武術操
〇教育部と体育運動総局の武術操(旭日東昇)
〇段位制の段前級(趣味武術) 段前級1級
1985年の春晩 趙長軍、王建軍、李彦龍、王傑、邱建国、張小燕によるコテコテ?な感じの寸劇
〇2017年の春晩