中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

アベンジャーズ、ジャスティスリーグと百八星

マーベル・コミックのヒーローたちが数年前からアベンジャーズという形で集結しはじめているけれど、もう一方の雄、DCコミックのヒーローたちもジャスティス・リーグという形で集結しはじめている(コミックの世界ではとうの昔に集結しているらしく、映画での話)。
 
 
もともとは個別のストーリーがあるヒーローたちが、「アベンジャーズ」や「ジャスティス・リーグのような大きな物語のなかに取り込まれてゆくのは、武松や魯智深などの独立した豪傑たちのお話が水滸伝という大きな物語にまとめられてゆくのと似ている気がする。ヒーローや神さまの一般的な成り立ちについてよく知らないけれど、多くの神さまが登場するギリシャやインドの神話にも、似たような事情があるんだろうか。
さらにそれらの物語や、ヒーロー・神様が、一つの時代や文化圏を越えて、たとえばインドから中央アジアや東南アジアを経て中国に広まる過程で、新たな意味づけをされたり、さらに大きな別の物語のなかに取り入れらてゆきつつ、ヒーロー・神様たちにも新たな性格が付け加えられゆくのかもしれない。
 
それって、もともと単独の番組だったウルトラマン仮面ライダー、戦隊ヒーローがシリーズ化して、後になって全員集合しちゃうのと何が違うのか、という気もする。逆にいうと、水滸伝の英雄たちは、当時の人びとにとっては、今でいうウルトラマン仮面ライダーと同じくらい身近なヒーローだったとも考えられる。
 
水滸伝の豪傑は108人(一百単八将、百八星)で、そんなにキャラのたっていない豪傑も多く、数字合わせの感もあるけれど、ヒーローが数人集まったからって驚いていてはいけないのだろう。
 

そうやって考えてみたとき、個々の物語が、より大きな物語に統合されるという方向とは逆の、いまでいうスピンオフみたいなパターンもある。
テレビアニメの主人公になっていたりして、たぶん中国の人なら身近に感じるはずの哪吒太子などは、毘沙門天や李天王の物語からのスピンオフみたいな捉えかたもできるのかもしれない。 

 

書いた自分がいうのも何だけど・・・、相変わらずアホで無責任な頭の体操。

 

◎子供の頃、ショックを受けたウルトラ兄弟対ヒッポリト星人

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ところで、水滸伝でいうと、面白いのは、豪傑たちが梁山泊に集うあたりまでで、集合してしまってからは、一人また一人と仲間が減ってゆく。そういう意味では、アベンジャーズ」も「ジャスティス・リーグも、個性豊かなヒーローたちが、ぶつかり合いながら寄り添っている、いまのあたりが一番面白いところなのかもしれない。

 

ヒーローや神話のなりたちというテーマについては、ジョージ・ルーカスの愛読書だという『千の顔をもつ英雄』でも読んで勉強してみよう。

 

◎ 読んでないけど備忘録として貼り付け。

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 
千の顔をもつ英雄〈下〉

千の顔をもつ英雄〈下〉

 

 

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ちなみに、『アイアンマン』のロバート・ダウニーJrが詠春拳のトレーニングをしているのはよく知られているけれど、彼がシャーロック・ホームズを演じた映画の中でも詠春拳の動きが取り入れられたりしている。詠春拳使いのシャーロック・ホームズ(笑)っていうのはちょっとやりすぎな気がする。

 

◎ロバート・ダウニーJrのインタビュー

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◎ロバート・ダウニーJr演じるシャーロックホームズのアクション

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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で新たにアベンジャーズに加わった「ブラックパンサー」を主演にした映画には、カンフーを含めさまざまな格闘技に精通したマレセ・クランプが加わっているらしい。彼の学んだカンフーって、具体的には何のことなんだろう。(マリーズ・クランプと書いてあるページもあり、どっちの発音がより正しいのかは未確認。このページではとりあえずマレセ・クランプにしておく。)

 

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 ◎マレセ・クランプのデモ映像

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