「香港武術活態資料庫」など
以前に、香港城市大学と中華国術総会が進めている、3Dモーションキャプチャーを利用した香港の伝統武術のアーカイブ化のプロジェクトについてメモした。
以下の記事によると、この9月から開催される第2回香港文化フェスティバルの中で、その成果の一環が公開されるようだ。3Dで公開される内容は、客家武術についてのものになる模様。その他、刀剣の実物展示もあるらしい。
見に行く計画はないけれど、報道などをみるのが楽しみ。
◎これは、第2回香港文化フェスティバルのプロモーションビデオ?
◎上のyoutubeの動画の最後のほうに、ちらっと出てくる、Tobias Gremmlerが作った動画。現代アートの一種か何かと思っていたけれど、これとも関係があるらしい。香港城市大学と中華国術総会のアーカイブは、もっと普通の形式でさまざまな套路の動きをデータベース化するのだと思うけど…。
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技法の伝承というテーマに関して、少し話しがそれ、かつジャンルも異なるけれど、首藤康之(バレエダンサー)と細尾真孝(西陣織)の対談が面白いと思ったので、あわせてメモ。とくに興味深かったのは、バレエダンサーの首藤康之の紹介している次のエピソード。(合いの手を入れているのは司会者。)
「首藤:(略)あるバレリーナが、伝統あるバレエ団の有名な教師に習っていて、教師が「このポーズは伝統あるものだからこの通りにやってください」と伝えたところ、そのバレリーナは「意味や美しさではなく、『伝統があるからやる』というのはすごくナンセンスなことだ!」と怒ってしまい、言い合いになったという話はクラシックバレエ界では有名なエピソードです。
―「伝統だから」というのが気に障ったと。結末はどうなったんですか?
首藤:結局、そのバレリーナは伝統の形を踊ったんです。つまり、伝統は崩そうと思っても太刀打ちできないくらいの強さがある。だからこそ美しいということを示す逸話だと思います。」
上に引用した箇所を読んでいて、呉殳が『手臂録』の中で、収集した槍の技が500余法にもなり、そのなかには空疎で実用に耐えない技も含まれているといいながら、皆、名家から出たものであるので、敢えて軽はずみに動かすことができない、という趣旨のことを書いていることを思い出した(「針度篇」)。同じように伝承というものの重たさ・強さを示すエピソードだと思う。
◎客家武術の香港における発展についての動画(香港のテレビ番組?)