地方武術協会の動き
いくつかの地方の武術協会、武術運動管理中心などの動きについて気になった記事をメモ。
1.湖南
湖南省については、これまでも段位制の普及例などが報道されていて、この地域をモデル地域にしようというような政策的な意図が感じられる。3月に湖南省を訪れた中央の武術運動管理中心の張秋平主任が、湖南省の取り組みを改めて評価しつつ、全国の武術協会の模範を目指してほしいと激励したという報道は、武術運動管理中心の執行部が変わっても、湖南省をモデルケースとして支援してゆくという方向性を確認したように見える。
◎湖南省の取り組みについての過去のメモ例
2.四川
上記の湖南の取り組みが、いささか旧社会主義的な、官主導のにおいがするのに対して、四川省の取り組みは、市場との関係をより意識しているように見えて興味深い。以下の記事も、省内のクラブの規模を、投入されている経費の規模でグループ化したり、指導者の具体的な収入がデータとして示して示されている。
2015年,四川武协主导和指导举办了5次单场投资超过200万以上的职业搏击赛,带动了相关领域消费。目前成都地区就有年投入超200万以上的准职业俱乐部3个,100万左右投入的俱乐部3个,这些俱乐部均有较充足的场地设施和训练器材,职业化训练选手近120人,教练15人,职业经理4人。
幼児向けに「熊猫拳」を編集するというアイデアは、日本の「パンダ長拳」という発想と似ているような気もする。
成都一家幼儿武术培训机构联合100多家幼儿园,共同合作培养幼儿武术教育,将武术套路改编成幼儿能够接受的动作组合并辅以名称,比如“熊猫拳”、“熊大拳”、“熊二拳”等,通过几年的发展,目前已经拥有50名武术教练队伍,4000多学生的幼儿武术教育集团,他们的教练年收入可达10万元以上。
有名武術家の人気投票や、『巴蜀武林英豪』という本(未入手)については以前にメモした。今後出版予定という『峨眉武術史略』という本も気になる。
◎四川省の取り組みについての過去のメモ例
3.河南
河南では、行政関係者を中心に構成された武術協会のメンバーが民間の有識者の意見をきくための座談会を、年初から8回にわたって開催したらしいけれど、記事を見た限りでは、まだポイントが絞りきれていない気がする。
今年年初,省武协针对河南武术的发展规划组织召开了8次不同类型的座谈调研,从不同的人群和视角征求对武术发展意见,听取合理化建议。省武管中心职能部门也结合职责开展调研,经过梳理整合,总结提炼出很多具有建设性和指导性的意见和建议,基本确定了河南武术协会今后一段时期的发展任务和目标。
河南武协组成人员大多是官方身份,因此成立之时,特设了顾问和特邀副主席,吸纳了河南武术名家和有识企业家参与协会工作,让这些懂武术、懂经济、会策划、能运作的民间人士参与协会工作,对发挥协会有效载体起到了积极推动作用。
少し垣間見られるのは、武術学校を整理してゆこうとしているらしいこと。向こう5年の間に150校の武術学校を認定する計画のようで、2016年には最初の30校の選考受付をはじめたという。
河南武协计划在“十三五”时期,全省评定150所特色武术学校,2016年第一批30所武术特色学校申报工作已经开始。省武协将积极协调、组织武术专业人士定期对特色学校骨干教师予以培训,指导校园武术的教学和课外活动内容,争取经费上的支持,为全面推进武术进校园工作积累经验。
省内に少林寺や陳家溝を有する「武術大省」として、海外との交流も盛んであり、その強みを今後もいかしてゆくことがポイントしてあげられている。
河南武协非常重视武术文化对外交流工作,在双方互信、自愿的基础上,分别与马来西亚吉隆坡武协、瑞典武协、挪威武术总会等多个国家和地区建立了国际友好合作关系,并正式签署“建立国际友好武术协会合作交流意向书”,双方每年都要进行互访、交流、比赛等活动。
河南独自の散打競技のブランドとして、「五岳功夫王」「利剣争鋒」があるらしい。
4.広東
広東では、省武術運動管理中心の王二平主任が、競技武術の選手も、伝統項目(注)を学ばない「無根之術」になってしまうと指摘、民間の武術家を招いたり、伝統武術の資料、書籍を集めて選手に勉強させているという。競技武術と伝統武術の交流は、かつてはどこのチームでも見られた光景かもしれないけれど、競技の専門化が進むなかで、再びこうした取り組みが見直されているということだろうか。
王二平——竞技武术来源于传统项目
http://www.sport.gov.cn/n316/n343/n1196/c719900/content.html
◎王二平の関連動画二点
(注)
競技武術の一種目としての「伝統項目」と、民間の伝統武術、伝統流派は当然のことながら同じではないので、この言い方には個人的に少し違和感がある。