中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 ※2015年2月、はてなダイアリーより移行

『黒帯ドラゴン(Black Belt Jones)』など

2015年の秋、掲題の作品が、長らくDVD化されていない幻の作品というふれこみでケーブルテレビで放送されたので観てみた。主演は『燃えよドラゴン』でアフロ空手家を演じたジム・ケリー、監督も『燃えドラ』と同じロバート・クローズ。『燃えドラ』(しつこいな)で注目されたジム・ケリーはこの映画をはじめ、3本のアクション映画に主演したらしい。

 

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◎映画の中のアクションシーン。ジム・ケリーは、キメのポーズから口もとまで(笑)リーが乗り移ってる感じ

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ただ、その後は俳優業には興味を失い、テニスプレーヤーとして活躍したようだ(もともと、フットボール陸上競技をやっていてスポーツ万能だったらしい)。

ジム・ケリー (空手) - Wikipedia

以下のインタビューをきいていると、現実のスポーツ界でモハメド・アリが登場しているのに、映画界ではロッキーがアポロを倒してチャンピオンになるなど、引き続き人種差別が残る映画界に対する不満もあったようだ。

 

◎1996年のインタビュー (Part2もある)

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とはいえ、主演第1作目ということで、この映画ではとても張り切っているように感じられる。登場人物たちの軽妙な会話も楽しめた。

クライマックスのアクションでは、ハル・ベリー似のヒロインが、相手を次々とミキサー車に放り込んでミンチにしてしながらサポートするという、ややグロい展開だった。

モータウンのデニス・コフィーのテーマ曲も心地よかった。ブラックスプロイテーション映画という分野にあまり詳しくないけれど、こうやって、ストリート的な会話とか、音楽、アクションが融合した斬新なジャンルだったんだろうと思わせる。

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ジム・ケリーは早々と映画界に見切りをつけたものの、時代が違えばウェズリー・スナイプスみたいなスターになってたんだろうか。

ブラックミュージックとカンフーアクションの融合ということでは、高校生のころ、それなりにはやっていた『ラスト・ドラゴン』という映画を思い出す。ブルース・リーに憧れる青年をタイマックが演じたこの映画のテーマ曲『Rhytm of The Night』(エル・デバージ)はゴールデングローブ賞の主題歌賞を受賞。モータウンはこの映画に出資しているようだけど、直後に倒産したらしい(『ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!』)。

 

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◎ラスト・ドラゴン30周年のタイマック まだトレーニングを続けているようで、この人いったい何歳なんだ?と思うぐらい若々しい感じ

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観たことないけれど、テーマ曲だけは知っているブラックスプロイテーションの代表作『黒いジャガー』(1971)のアイザック・ヘイズは、モータウンのライバルでメンフィスのスタックス・レーベルの所属。ジミー・ウォングの『龍虎鬥』(1972)がなぜか、日本公開時(1974)に『吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー』(なぜかタイガーではなくジャガー)になったのは、『黒いジャガー』のほうが日本で先に公開されていた(1972)という事情もあるのかもしれない。

 

 ◎アイザック・ヘイズの『黒いジャガーのテーマ』 映画版『あしたのジョー』(1980公開の、テレビアニメ再編集版)も、冒頭にドヤ街でジョーがチンピラたちと戦うところですごく似た曲が流れていたのは、この映画へのオマージュだったのかな?

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◎黒人のアクションスターを集めた動画

カール・スコット(本格カンフーであり、ブラックスプロイテーションという枠には収まらないと思う)あたりが先駆的なのかな。

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◎カール・スコット

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carlscottkungfu.com

 

…と、ここまで書いていたところで、こんな記事が流れてきた。

1960年代、70年代のアメリカの黒人社会と空手、カンフーについては、いろいろと調べたら深いものがありそう。

chinesemartialstudies.com

 

 

 

 

ブラック・ムービー―アメリカ映画と黒人社会 (講談社現代新書)

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