温州武術博物館など
浙江省温州に2016年2月、武術博物館が開館するという記事。
温州と武術の関係がすぐにピンとこなかったので調べてみると、以下の記事に次のような記述があり、歴代の武挙の人材を輩出していることがわかる。
从现存历史资料看,温州武术的全面兴盛,从南宋开始。据史料统计,温州地区历代共出了439名武进士、武科鼎甲29名,仅南宋一代,武进士就有305人,武状元14位,占全国三分之一。
民国時代に活躍した武術家のなかでは、葉大密、鄭曼青、林鏡平が温州出身らしい。
いくつか、関連動画を貼り付けておく。
現代では、温州大学教授・温州武術協会主席の袁鎮瀾という人がキーパーソンのようだ。金水門拳法というのが専門で、散打のチャンピオンでナショナルチームのコーチでもある尤邦孟、同じく世界チャンピオンの毛亜琪、テコンドーのナショナルチームの陳立人元総教練、テコンドー女子ナショナルチームの盧旭棟などを育てたという。
金水門拳法ってどんな拳法だ、と思って調べたら、人民体育出版社の「中華武術伝統名拳縦覧」シリーズの『古越武術』は 袁鎮瀾の著書で、この本で映像つきで紹介されていた。
さらに、ずっと以前に購入していた時事出版社『戚継光兵法』の注釈者の中にも袁鎮瀾という名前があることを確認した。まさに灯台下暗し・・・。
『古越武術』の著者紹介によると、袁鎮瀾は天理大学に留学して、中川敬、山本義泰(金義泰)の指導を得たとあり、日本との関係のあることがわかった。
武漢体育学院の修士課程に進学したときのエピソードが面白い。進学後、数ヶ月で指導教官だった温敬銘が亡くなってしまい、学校は当時まだ講師だった江百龍を指導教官にしたところ、江百龍に提出した表に「俺は温敬銘教授の学生だ。アンタに俺の指導ができるのか」と書いたという。そうしたら、「(俺にお前の指導がつとまるかどうか)試してみろよ。イヤだったらいつでも辞めればいい」と切り返され、逆に心が通じ合ったというようなお話。
1985年,袁镇澜拜在八旬高龄的武术名家温敬铭老师门下当研究生。谁料几个月后,温老师与世长辞。袁镇澜陷入求师无门的境地。最后院方帮他物色了教研处处长江百龙当他的导师。心直口快的袁镇澜没有拿当时还是讲师的江百龙当回事,他在递交给江老师的表格上写道:“我是冲着温敬铭教授来的,我考的是温敬铭教授的研究生,不是考你的,你能不能带我???”同样直爽的江老师跟他说:“如果你愿意当我的研究生,那你就试试看,如果你不愿意,随时可以走,我绝不勉强。”此时,两个坦诚的硬汉子突然达成默契。于是袁镇澜跟随江老师学习,通过深入接触,袁镇澜对江老师深厚的武术功底和广博的学识极为敬佩,他跟随江老师读完研究生,两人之间还产生了亦师亦友的深厚感情。毕业后,袁镇澜回到家乡温州,从事武术工作至今,为温州乃至全国武坛做出了很大的贡献。