各地の人気拳師投票活動
1.
煙台で去る11月に地元の十大拳師を選出したというニュース。
十大拳師は、原楽志(呉式太極拳)、楊応健(陳式太極拳)、孫玉永(尹派宫式八卦掌)、侯利民(陳式太極拳)、周振東(太極蟷螂拳)、劉紅玉(摔跤?テコンドー?)、楊応業(陳式太極拳)、王勝其(梅花蟷螂拳)、王守昌(形意拳)、王才善(陸合蟷螂拳)。太極拳とあわせて、やはり各種の蟷螂拳に人気があることがわかる。
2.
同じような活動を過去にも見たと思ったので確認してみたら、蘭州でやっていたのは、地元にゆかりのある故人の中から十大名家を選ぶのと、存命の武術家のなかから100名の名家を選ぶという活動だった。
ちなみに、十大名家に選ばれたのは馬鳳図、馬頴達、王福辰、王天鵬、劉仁、王徳功、張百川、陳万智、邸世礼、張克倹の10名。うち太極拳の王福辰、封手拳、撕炮拳などの記事に名前のある張百川の二人以外は通備拳とゆかりのある人たちのようで、この流派の蘭州における影響の大きさが改めて感じられる。
馬頴達の鞭杆・五音の動画、自伝および逝去後3年後、米国在住の弟子が書いた手記、孟村の常玉剛が馬頴達ほか馬氏の人たちと会ったときのエピソードのリンクを貼り付け。
马颖达先生爱徒写于美国的一篇回忆录
http://www.wushuw.com/wushu-article-7010-1.html
張克倹の武術を伝えると思われる竇志斌という人の動画。
3.
四川省でも、数年前から「伝統武術名人」の投票みたいなことをやっている。こちらは競技とあわせて行われているようで少し手がこんでいる。
競技部門とは別に、審判団が「名人」、「スター(明星)」を選出、連続3年間「名人」に選ばれた選手は「四川省武術名家」の称号が贈られるらしい。
八、录取名次
(略)
(三)设“四川省武术年度名人”和“四川省武术年度明星”奖,由四川省武术协会和四川省武术运动管理中心聘请专家组成评审团,按照大会年度名人、明星评选办法,从一等奖获得数中评选出不高于各10名的“2015年四川武术年度名人”和“2015四川武术年度明星”,并给予颁发奖杯及证书奖励,并获得在四川省武术协会官方网站“四川武术网”上进行个人资讯的长期推广和宣传资格。
(四)连续三年获得四川省武术名人的运动员将授予“四川省武术名家”。
4.
結果の情報がヒットしないけれど、陳家溝でも同じような投票をやっているらしい。
5.
面倒くさいのでこれ以上は調べないけれど、こういう地元密着型の記事は、各地にどんな老師や拳種があるのかがわかって面白いので、引き続き注目しておこう。
いまのところただの印象でしかないけれど、少し前と比べると、〇〇拳が国や地方行政レベルの非物質文化遺産(無形文化遺産)の認定を受けました、というような報道が減り、このような人気投票的なものが目に付くようになった気がする。非物質文化遺産に認定するということは、認定者としては以後、保護のための一定の予算措置を取り続けなければならず、認定件数が増えれば増えるほどその負担は大きくなるし、保護活動の成果も問われることになる。経済が右肩上がりのときはそれでもよかったのかもしれないけれど、景気に陰りがみえてきたところで、それよりも簡単な人気投票が盛んになってきたというのは穿った見方かもしれないけれど、それで地方の武術熱が盛り上がるなら、それもありかと思う。