中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 ※2015年2月、はてなダイアリーより移行

「空手のルーツを探る」シンポジウム

去る1月25日、沖縄の浦添市で、福建省からも研究者を招き、空手のルーツに関するシンポジウムが開かれたらしく、沖縄と福建省の両方のメディアから報道されている(琉球新報泉州晩報。最後に双方の記事をコピペ)。

琉球晩報の記事によると、このシンポジウムは、浦添市が沖縄振興特別推進交付金を活用して実施中の3年間のプロジェクト「琉球空手のルーツを探る事業」の一環として開催されたものらしい。

両方の報道ぶりを見比べつつ、ちょっと不思議に思った点をメモ。

 

琉球新報の記事は、剛柔流上地流の開祖が学んだのは「南少林拳系統の武術」らしいと述べるに留まっているのに対して、泉州晩報の記事では、空手のルーツは五祖拳であることを両国の武道家が認定したということになっていて、ニュアンスがかなり異なっている。

 

泉州晩報の記事を詳しく読むと、空手のルーツは五祖拳である、といったのは、基調講演を行なった五祖拳の周焜民であることがわかる。その基調講演は拍手喝采を浴びたと書かれているけれど、だからといって、その説が全面的に受け入れられたということにはならないだろう。

記事によると、周焜民は一方で、沖縄と福建省の武術交流は明代にまで遡ることができ、沖縄に伝わる『武備志』の内容は永春鶴拳の古譜と基本的に同じであり、『武備志』はその内容を整理帰納したもの、とも述べている。

ここで永春鶴拳という名前がでてきて、あれ、五祖拳がルーツなんじゃなかったの?、とちょっと混乱してきた。

 

そこで五祖拳について調べてみると、杜徳全・周盟淵『五祖拳文化研究』などでは、白鹤拳、猴拳、羅漢拳、達尊拳、太祖拳の五つの流派を集大成し、蔡玉明 (1853-1910)によって創始された流派である、と紹介されている(注)。

清末の人物によって創始された五祖拳がすでに明代には沖縄に伝わっているというのはおかしいので、本当は「空手の原型と思われる福建省の武術は、その一部が今に伝えられているほか、蔡玉明によって五祖拳に纏められたものもある」、ということでしかなく、泉州晩報の、「五祖拳が空手の源流である」という言い方は、かなり乱暴な言い方だと思う。

 

五祖拳と空手の関係について、大塚忠彦『中国、琉球武芸志』を見ると、大塚は1976年の時点で、各流派の成立からかなりの時間を経ている五祖拳からは空手の源流を見つけることはできず、「五拳をそれぞれみることが先決である」と気づき、マニラや台湾に各派を訪ねたことがわかる。その作業から、もう40年(『中国、琉球武芸志』の出版(1998年)から数えても17年)近く経とうとしているのに、いまだに国際シンポジウムで「五祖拳が空手の源流である」などと中国の参加者が語るというのは、大塚の指摘は、この方面の研究者の間では広く認めらていないのか、と不思議に思った。(もっとも、この本、4,000円近くするので、個人ではそう簡単に手に入れることができない。自分にしたところで、つい最近、叩き売り同然に得られていたのでようやく入手したにすぎない。)

 

ところで、大塚の前掲書が、氏のマニラ、台湾での調査をもとに書かれているのは、その調査が行われた当時はまだ日中国交回復前だったせいなので仕方ないと思うけれど、その後、国交回復したあと福建省で調査はされなかったのだろうか。

同書の巻頭には、日本武術太極拳連盟の視察団として1992年に福建省も訪れた際の写真なども掲載されているので、福建省にも足を運ばれていることは間違いないけれど、連盟役員による視察ということで、個人的な関心事項の調査などする余裕はなかったのか、福建訪問のことに触れられていないのは、ちょっと残念な気がする。

 

大塚の前掲書では武備志に掲載されている拳法と、戚継光の『紀效新書』について比較されているけれど、シンポジウムではむしろ兪大猷『剣経』の影響について触れられている。福建省の武術については、最近、『福建武術史』(未だ未見)が出版されたばかりだし、前掲の『五祖拳文化研究』もかなり中身の濃い本になっている。(いずれもアモイ大学出版社。)双方に名前の見える林建華教授がキーパーソンのような気がするので、ちょっと注目しておきたい。

 

(注)

これに似た説として、五祖拳は、五つの独立した流派の総称である、というものがあるけれど、杜徳全・周盟淵は、各流派の実際に即しておらず、俗説であるとしてこの説を否定している。

 

中国武術と類似性紹介 空手のルーツ探るシンポ

2015年2月1日

 浦添浦添市教育委員会は1月25日、市てだこホールで「空手のルーツを探るシンポジウム」を開催した。中国武術と空手の専門家が多数登壇し、その歴史や関係性、類似性などそれぞれの研究成果を発表した。
 シンポジウムは、市が沖縄振興特別推進交付金を活用して2012~14年度に実施中の「琉球空手のルーツを探る事業」の一環。同事業では、調査検討委員会を年数回開催し、中国への現地調査も行った。3月には調査報告書の刊行を予定している。
 シンポジウムでは中国武術と沖縄の空手の演武を互いに披露。基調講演で国際南少林五祖拳連誼総会主席の周焜民氏は「首里手泊手那覇手泉州少林拳と驚くほど似通っている」とし、剛柔流、上地流の開祖が南少林拳系統の武術を学んでいたことを紹介した。
 元県立芸術大学学長の宮城篤正氏は中国武術と空手の文献を多数紹介。沖縄国際大教授の田名真之氏も「大島筆記」や「薩遊紀行」、「南島雑話」に空手にまつわる記述があることなどに触れ、「冊封使の従者などから学んだ型を継承し、近世から近代に先達が新たな型を創作した」と述べた。
 その他、中国集美大学体育学院大学院の翁信輝氏、市空手道連盟会長の津波清氏、早稲田大学大学院の嘉手苅徹氏、県立芸大付属研究所の盧姜威氏が登壇した。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-238220-storytopic-5.html

 

中日武术家认定:泉州五祖拳是日本空手道鼻祖

时间: 2015-02-09 11:29:18        来源:泉州晚报 

泉州晚报讯 (记者陈智勇 康细民)日本空手道根在泉州?在日本空手道界近日召开的“2015年探索琉球空手道起源国际研讨会”期间,泉州代表团与日本武术专家通过各个方面的交流,揭开了日本空手道与泉州五祖拳之间的渊源:泉州五祖拳实为日本空手道的鼻祖。

本次研讨会在日本浦添市召开,中日武术名家和武术界相关人士300余人与会。原日本冲绳县立艺术大学校长宫城笃正、浦添市空手道联盟会长津波清、中国集美大学体育学院教授翁信辉等多名武术家在会上发言。中国非物质文化遗产五祖拳国家级代表性传承人、第十届国际南少林五祖拳联谊总会主席周焜民率泉州武术代表队应邀赴会,他的论文《冲绳空手道与泉州少林拳术渊源管窥》被定为大会基调演讲。

周焜民说,不管是武术套路,还是武术古籍,日本空手道与泉州五祖拳都有着千丝万缕的关系。“冲绳空手道过去叫唐手,这就说明它是从我们中国传过去的。”他举日本古拳谱《武备志》为例,书中讲到的“机手”,泉州五祖拳谱叫“技手”,“只是发音不同”;该书内容、结构、文字与闽南地区的古拳谱完全一样,其中一些拳理甚至在俞大猷所著的《剑经》里都可以找到根据。周焜民说,之前有学者说冲绳空手道是清中晚期从福州传过去的,如果探源仅止于此,日本空手道历史将出现很长时间的空白。“通过现有文史资料研究表明,早在明代,中日极有可能就有拳术交流的历史。”他指出,泉州五祖拳实为日本空手道的鼻祖。

周焜民新颖的研究角度和缜密的论述,受到了中日两国武术专家赞赏,演讲过程中掌声不断。这篇论文也填补了福建省在中日武术渊源方面专题研究的空白。

据了解,过去数十年间,日本武术名家和空手道高手就频频入闽莅泉“寻根”。而冲绳刚柔流空手道保存会会长涌川幸盛在多次考察过泉州少林拳术后表示,日本空手道与泉州南拳源出一脉。

在日本浦添日前召开的“2015年探索琉球空手道起源国际研讨会”上,泉州代表团与日本武术专家通过论文研讨、武术切磋等各个方面的交流,细论日本空手道与泉州五祖拳之间的渊源关系。

基调发言触动日本武术专家

“冲绳空手道过去叫唐手,这就说明它是从我们中国传过去的。”中国非物质文化遗产五祖拳国家级代表性传承人、第十届国际南少林五祖拳联谊总会主席周焜民说。作为本次研讨会唯一的基调发言,因《冲绳空手道与泉州少林拳术渊源管窥》内空十分精彩,原定40分钟的发言时间,最后讲了1个多小时,演讲过程中掌声不断。这篇论文也填补了福建省在中日武术渊源方面专题研究的空白。

周焜民说:“日本现存有一本古拳谱,叫做《武备志》。此前日本武术家送了一本给我,还有影印的《武备志》的原文。拿到这部日本古籍后感觉很熟悉,进一步研究后发现与泉州的古拳谱很相似。例如,《武备志》讲到‘机手’,泉州五祖拳谱叫‘技手’,只是发音不同。”

周焜民的发言从《武备志》作为研究切入口,理清空手道与泉州五祖拳的关系。他通过研究发现,《武备志》的内容、结构、文字与闽南地区的古拳谱完全一样,里面提出来的一些拳理甚至在俞大猷所著的《剑经》里都可以找到根据。通过对比研究发现,日本空手道界认为最古老的经典拳谱《武备志》实际上是泉州永春鹤拳的古谱,只是经过了整理归纳。同时,《武备志》讲到的罗汉拳,与泉州五祖拳中的罗汉拳也是一模一样的。

周焜民说,明代是中国武术发展的成熟期,泉州可谓是全国武术的中心,继宋代泉州人曾公亮编撰《武经总要》,明代泉州人俞大猷又编撰《续武经总要》,并汇集中国棍钯精华,总结拳术理论,写成《剑经》出版,成为中国第一部武术专著,其精辟论述,至今为南北各派拳门奉为经典,上述太祖拳、白鹤拳、罗汉拳概莫能外,影响及于空手道。冲绳空手道和泉州少林拳术的渊源如果追寻到这一时代,是有充分历史背景资料和人文因素为基础的。

空手道数十载寻根路

自上世纪70年代起,日本空手道团体与武术家数十次访问泉州,做空手道源流调查,并与泉州武术界交流。为了召开此次国际研讨会,他们曾三度来泉州调研,考察泉州五祖拳术。

此前,冲绳刚柔流空手道保存会会长涌川幸盛曾多次考察过泉州少林拳术,撰写了《泉州太祖拳与冲绳空手道》一文,文中说:“我曾在泉州崇福寺亲眼目睹了该寺年轻僧侣们表演的传统太祖拳,那种质朴、厚重的拳术,撞和腰的用力方法等等,与冲绳空手道存在的共同点之多令我十分惊讶。”他研究了已故著名拳师苏再福的《太祖拳谱》关于“太祖廿四势简述”并观摩表演,认为太祖拳固守待进、后发制人,“冲绳空手道基本上与此思路相同”,“这也许是空手道与泉州南拳源出一脉的证据之一”。涌川幸盛得出结论:“通过冲绳、泉州两地拳法的互相比较,以前不能充分理解的问题或意识不到之处,马上能迎刃而解。”

1988年泉州市与日本浦添市缔结为友好城市,在过去近30年间,泉州武术界也频频受邀赴日本交流。早在25年前,周焜民就曾应邀率泉州武术代表团去浦添市交流,当时日本武术界十分重视,组织了400多人现场交流表演,日本空手道界一流高手也上阵示范表演。

五名家展示五祖拳魅力

此次赴日交流期间,中日武术名家还举行同台表演,寻找五祖拳与空手道一脉相随的关系。

交流中,周焜民表演了太祖拳《十字战》,泉州一同前往的武术家还有泉州少林寺方丈释常定、泉州市武术协会副主席苏瀛汉、徐清辉和国际南少林五祖拳研究会副会长姜雄雄,他们分别表演罗汉拳《三战》、永春白鹤拳《八分寸法》、鹤拳《瑞华战》和达尊拳《大战》等,现场展示的最原汁原味的五祖拳,受到日本武术界的高度赞赏。“此次泉州赴日交流的武术家选的都是泉州五祖拳的古老套路,通过现场展示表演,说明五祖拳与空手道起源有着密不可分的关系。”周焜民说。

此次交流表演开场是日本青少年进行空手道表演,随后日本武术界也派出造诣很深的空手道高手与泉州武术家交替表演,场面十分热闹。(本报记者陈智勇 实习生李自蹊 郭佳琰)

http://www.dnkb.com.cn/archive/info/20150209/112918147622598_1.shtml

  中国、琉球武芸志