官方武術関係情報のアップデート
しばらく官方武術界(注)のニュースをチェックしていなかったので久しぶりに武術運動管理中心・中国武術協会・武術研究院の公式ウェブサイトを覗いてみた。いくつか、気になったニュースをメモ。リンクが多くなったので、記事全文はコピペせず、エバーノートで別途保存。
高小軍を団長とする一行が1月14日から27日まで、モーリシャス、南アフリカ、マダガスカルの参加国を歴訪して講習や演武を行なったらしい。
モーリシャスとマダガスカルでは、段位制の普及についての協定書に署名したといい、南アフリカでも段位制の普及について協議が行なわれるなど、専ら段位制の普及・売り込みが今回のテーマであるようだ。
段位制の普及は、当然、オリンピック競技種目化に向けての普及戦略の一環でもある。最近、2020年の東京オリンピックの追加競技種目に武術太極拳が名乗りを上げなかったことが若干ニュースになったけれど、国際武術連盟としては、ようやく世界的な普及に力を入れ始めたところで、やはり2020年より先を見据えているのだと思う。
そういえば、世界に向けた普及ということでは、アフリカではないけれど、パキスタンの中国大使館文化処で武術教室が開講というニュースもあった。今回、モーリシャスでは中国文化センターで講習会が開かれているけれど、そうやって大使館や中国文化センター、国によってはさらに孔子学院など、公的なチャンネルを利用して武術の普及が図られている気がする。
オフィシャルページの記事はいかにもお役所っぽく、2014年度の活動を具体的にどう総括し、2015年の課題をどう設定したのか、まったくわからない書き方になっているけれど(苦笑)、新浪に転載されている中国体育報の報道では、2014年度の主要な戦績として、仁川のアジア大会(9月)における「5金1銅」、ジャカルタにおける第7回世界杯武術散打比賽における「7金1銅」があげられている。
今年にはいって、2月2日に長沙でK-1中日争覇賽(団体戦で4対3で日本の勝ち。動画つきのニュース)には散打の全国チャンピオンも参加していたらしいけれど、ナショナルチームとは関係ないのかな?
昨年12月、専門家委員会(主任は華拳の蔡龍雲)の代替わりがあったらしい。第1期18名は5年の任期のうち3名が逝去、3名が留任を辞退したこともあり、新たな委員として、王培棍、曽乃梁、闞桂香、徐偉軍、陳正雷、朱瑞琪、温佐恵、曽于久の8人が任命されたらしい。北京体育大学関係者が曽乃梁も含めて4名、上海、武漢、成都から各位地名、その他1名という構成。新委員のプロフィールはここ。
ただ・・・この専門家委員会、どんなことをしているのか、いまひとつよくわからない。諮問委員会のようなものだろうか。
(注)
これは、ここ数年使われるようになってきた気がする「民間武術」に対する言い方で、国家主導の套路競技や散打、段位制などを指す。