中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

釈永信

「昆侖大師杯」全国潭腿伝統武術精英賽など

7月14日と15日、河北省邢台市の臨西県で潭腿と伝統武術の競技会が開かれたというニュースが流れてきた。正式な名称は「「昆侖大師杯」全国潭腿伝統武術精英賽」というらしく(注1)、開催は去年に引き続き今年で2回目になるらしい。 ここでいう「潭腿伝統武…

国際武術連合会が国際功夫連合会を封殺?

中国武術協会が、各省、市、県の武術協会と会員に対して、国際功夫連合会との一切のかかわりを禁じる旨の通知をだしたというニュースが流れてきた。 これは、国際武術連合会(IWUF)が、国際功夫連合会(IKKF)を対立組織と認定し、各国の会員機関に…

少林功夫と神力信仰

雑誌『秘伝』の2016年6月号で、嵩山少林寺の釈永信方丈が少林功夫について語るという予告があったので、読んでみた(「少林功夫と「武術禅」」)。 一読して、少林功夫の信仰対象とされる緊那羅についての言及がなかったことが意外で、やや物足りない気がし…

世俗の誘惑?

先日NHKで放送された、「嵩山少林寺×武井壮」は、「心の修練」としての「少林功夫」に迫ろうとした好番組だったと思う。特に、少林寺訪問に先立って訪れた武術学校(ジャージの背中に書かれた文字から「塔溝武術学校」だと思う)に学ぶ生徒たちの、純粋さ…

陳舜臣『珊瑚の枕』

数日前、古本屋でたまたま上巻を見つけ、その数か月前に購入済みだった下巻とあわせて読み始め、本日読了。陳元贇を主人公にしたこの小説については、高校生の頃、中国や中国武術に興味を持ち始めた頃から知っていたけれど、読んだことはなかった。ずっと気…

阿徳「緊那羅考」など(釈永信編『少林学論文選』所収)

以前に、少林寺の守護神といわれている「緊那羅」について、釈永信方丈が、「本来は「那羅延執金剛」神 であった」という考えを示していると書いた。この問題について、ずっと考え続けてきたわけではないのだけれど、最近、中国のダウンロードサイトから入手…

武の聖地・・・

北京で「両会」の開催時期が近づき、それにあわせて、いろいろ水面下の運動が行われるようだ。少林寺は、釈永信方丈が北京入りする前後から僧侶によるボランティア観光ガイドを開始。 あまりにも商業主義でサービスの質が悪いために「少林寺景区」の「5A級…

緊那羅

現代武術を「様板武術」と批判している少林寺の釈永信方丈、少林寺における武術は、あくまで仏教の修行の一部であって、本来は「少林功夫」と呼ばなければならないと主張している。いいかえると、修行という側面が伴わない、単に人を撃つための技術練習は「…

「様板武術」

数日前、韓国の伝統武術「テッキョン」がユネスコの無形文化遺産として登録されたことに関する報道のなかで、少林武術は先を越された、と指摘するようなものがあった。 無形文化遺産条約では「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」と「緊急に保護する必要が…

峨嵋派武術

詳しい経緯はわからないけれど、高野山金剛峰寺、高野山霊宝館、高野山大学の一行29人が峨嵋山で峨嵋武術研究会会長の汪鍵氏らと交流と演武を行ったらしい。百度の汪鍵氏のプロフィールで紹介されているエピソードが面白い。 それによると2009年に、ムエタイ…

報奨金5万元

少林寺方丈の釈永信が外国に多額の預金と別荘をもち、さらに愛人と子供までいるという噂が広がっている。少林寺はこの悪質な噂に対して徹底的に戦う姿勢を示し、発信源に関する有力な情報を提供した人に対して5万元の報酬を払う、としてHP上で協力を呼びかけ…