中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 ※2015年2月、はてなダイアリーより移行

映画

邱海洋「电影《师父》:徐浩峰对师徒制的批判」など

全日本剣道連盟居合道部の昇段審査の金銭授受問題に関して、スポーツ人類学の田辺元氏の書いた文章が興味深かった。 synodos.jp この文章をヒントに中国武術のことを考えてみたときに、 中国武術において「入門」とは、ある学習者が、身内のもの、すなわち門…

「禿鷹」計春華

7月11日、計春華がなくなった。享年なんと56歳(注)。 出典:http://www.kwongwah.com.my/?p=543788 浙江省武術隊を経てスクリーンデビューは1982年の『少林寺』での「禿鷹」。あのころ20代になったばかりというのが信じられないけれど、不敵にニヤリと笑…

明清塩政と武術、張之萬など

中華武術網に滄州の広告会社がつくった滄州武術のプロモーション映像があり、そこに八極拳の呉鐘は河間塩運司の呉氏の子孫だと紹介されていた。 www.wushu520.com これは、呉氏の祖先の祚永公が明の永楽初に河間府滄州塩運分司運判に任じ、安徽の徽州府歙県…

タイタニック、太平輪の生存者と武術家の「水上功夫」?

イギリス人の映画監督、アーサー・ジョーンズが、タイタニック号の中国人生存者6人の行方を追ったドキュメンタリー「The Six」の予告編が公開されて話題になっている(らしい)。 tabi-labo.com www.youtube.com この記事を読んで、生存者のうち一人は武術…

さまざまな普及のかたち

4月6日カメルーンで開催されたアフリカ武術フェスティバルについて、グーグルから流れてきたのは中国外交部の報道だった。 驻喀麦隆大使魏文华出席首届非洲武术节 — 中华人民共和国外交部 中国は駐カメルーン大使が開幕式で祝辞を述べるなどの力の入れようで…

『ジャック・イジドアの告白』、『グレートウォール』、『桃源郷』など

『ブレードランナー2049』の公開にあわせて、2017年の暮れに、フィリップ・K・ディックの小説がいくつか新たに出版されていたらしく、地元の図書館の蔵書がいつのまにか増えていた。『ジャック・イジドアの告白』もそのひとつ。(『戦争が終わり、世界の終わ…

『イップ・マン 継承』『イップ・マン 最終章』など

公開時、見逃していた『イップ・マン 継承』を、先日アマゾンプライムの週末特典100円で先日ようやく観賞。 アクション的には、マイク・タイソン(そこそこ台詞もあって、役者っぷりも見事!)、売り出し中のマックス・チャンとの対決など見ごたえがあったけ…

「蕩寇風雲 God of War」など

倉田保昭が映画「蕩寇風雲 God of War」の演技で香港電影評論学会の最優秀男優賞を受賞したらしい。 倉田保昭が演じているのは、松浦藩の若頭を中核とする倭寇の軍師のような存在で、サモ・ハン・キンポー演じる兪大猷、チウ・マンチェク演じる戚継光らと対…

『Retuen of Bruce』、『Legend of the Condor Heroes』など

ブルース・リーが生きていれば77歳の誕生日を迎える11月27日前後に、「そっくりさん」主演の映画を含めて、いろんな情報が流れてきた。 なかでも印象に残ったのは、ブルース・リ(呂小龍)のRetuen of Bruce (『忠烈精武門』) 出典:Rare Kung Fu Movie Web…

武術賽事の管理強化、ジャック・マーの『功守道』、「峨眉武術発祥の地」など

11月4日に開かれた雲南省武術協会の全体委員拡大会で、胡宝林が全会一致で主席に選ばれたらしい。 胡宝林といえば、自分が武術を始めた頃の現役選手で、四川の任剛とならぶ通背拳の名手だった。ライバル任剛は四川省武術協会の主任としてさまざまなアイデア…

橋本力、闞文聡、『刀背蔵身』など

ちょっと小ネタが集まったので、まとめてメモ。 1. 『ドラゴン怒りの鉄拳』のクライマックスでブルース・リーと戦い、かつ『大魔神』の(わけのわからない日本語だ(笑))橋本力氏が10月11日に逝去された。 『大魔神』三部作は、ブルーレイプレーヤーを買っ…

『西遊記2』など

人に誘われてツイ・ハークの『西遊記2』を観てきた。 www.youtube.com ツイ・ハークの映画は2008年から2010年の中国駐在中に『女人不壊』を観て以来。『女人不壊』は武術とは全く関係ない3人の女性が主人公の映画だったけど、当時観ていた金庸原作のドラマ…

弘文書院、大森体育会、中国体操学校とその関係者たち

1. 王潤生、不肖生、楊昌済、柳午亭、毛沢東など 清末の日本留学生の中に、湖南の「拳王」八拳の王潤生がいる。平江不肖生こと向愷然の「拳術見聞録」や「拳術伝薪録」では王志群と記されている人物で、帰国後は太極拳にも興味をもち、年下の呉鑑泉にも学ん…

于素秋、如来神掌など

先月のメモで、「七小福」のDVD化を強く望む、と書いたところだけれど、その数週間後に、「七小福」たちの師匠・于占元の娘で、七小福のメンバーが姉と慕っていた于素秋が亡くなっていたことがわかってびっくり。享年88才。 www.recordchina.co.jp 以下は…

『激闘!アジアン・アクション映画大進撃』

『ドラゴン・ガール』のメモの最後に、アジアのアクション映画が旬なのか?とメモしたら、数日後にこの本が出版されてびっくり。さっそく手にとってみると、充実した中身で(とくに、知野二郎「伝説の映画帝国、邵氏兄弟有限公司 ---その栄光と波乱の興亡史…

大学受験と武術2

中国の大学受験はこれから本格シーズンにはいるのかな。 「武術と民族伝統体育」専攻では、今年は新たに雲南民族大学が募集を行うらしい。 news.xinhuanet.com その名もずばり大学受験生向けの「高3ネット」によると、「武術と民族伝統体育」専攻があるのは4…

「鷂子高三」など

たまたま「鷂子高三」こと高占魁について調べていたら、最近「鷂子高三」という映画がクランクインしたというニュースがヒットした。 www.qqgfw.com また、気づかなかったけれど、2016年の9月には、陝西省銅川市耀州に鹞子高三記念館がオープンしていた。 ww…

『ドラゴン・ガール』など

先日、シラットを題材にしたブルネイ初の長編映画という、掲題の作品の上映会と監督によるトークがあった。 www.youtube.com jfac.jp シラットが得意な幼なじみの気をひくために高校でシラット部を作った女の子・ヤスミンが主人公で、「あんな危険なものはや…

張山の語る中華人民共和国の武術

北京体育学院の武術系を卒業し1965年に国家体育運動委員会の武術処に配属された張山の『武林春秋』は2012年に人民体育出版社から出版されている。 zigzagmax.hatenablog.com 600ページにも及ぶ大著のようで、とても興味があるのだけれど、いまだ入手する機会…

張宝瑞編『北京武林軼事』

1989年から1990年にかけて、北京体育学院に留学中に、何となく買った本。当時はこんな本を読む語学力などなかったものの、たまたま部屋に遊びに来てくれた担任の呂先生が「おっ、いい本読んでるじゃないか」といってくれたのがうれしくて、留学時代の思い出…

気になる新作映画たち

ネットでニュース等がながれてきて、ちょっと気になる映画をまとめてメモ。 1. Birth of the Dragon www.excite.co.jp 確かに予告編でも白人青年の存在が目立つ気がする。 www.youtube.com 2.鉄道飛虎 ジャッキー・チェンが「抗日もの」に出演ということで話…

アベンジャーズ、ジャスティスリーグと百八星

マーベル・コミックのヒーローたちが数年前からアベンジャーズという形で集結しはじめているけれど、もう一方の雄、DCコミックのヒーローたちもジャスティス・リーグという形で集結しはじめている(コミックの世界ではとうの昔に集結しているらしく、映画で…

『スペシャルID 特殊身分』

少し前のある晩、ケーブルテレビの番組表を見ていたら、ドニー・イェン主演の掲題の作品がまもなく放送されるタイミングだったので、特に期待もせず鑑賞してみた。 ◎日本公開時の予告編 www.youtube.com 『インファナル・アフェア』ばりに、ドニー・イェンが…

ムーランカンフー、湖北省の非物質文化遺産

国家体育運動総局のウェブサイトに「木蘭武術」についての記事(最後に全文をコピペ)が載っていたので、メモ。 この記事で敢えて「木蘭「武術」」という言い方をしている理由がよくわからないけれど、インターネット上には「木蘭」の名前を冠したものに「木…

80年代の大陸発功夫女明星

孫建明主演『峡江疑影(邦題:三峡必殺拳)』を久しぶりに見て、孫建明演じる林傑に命を救われて好意を抱く小翠役を演じていた王秀萍が気になったので調べてみたら、この人も北京武術チームの出身だった。 王秀萍は、これまた北京武術チーム出身で、『三峡必…

陳白塵撰述・佐藤公彦訳『黒旗軍 十九世紀中国の農民戦争』

以前から気になっていた掲題の本の、図書館除籍本がアマゾンで安く売られていたので購入してみた。 黒旗軍―19世紀中国の農民戦争 (研文選書) 作者: 陳白塵,佐藤公彦 出版社/メーカー: 研文出版 発売日: 1987/10 メディア: 単行本 クリック: 4回 この商品を含…

2016年全国武術協会主席秘書長会議など

旧正月に伴う大型連休は、国内の活動がストップするせいだろうか、今年も中国以外での諸外国における武術を報道する記事が目立った。 ◎レバノン 現地で十年以上武術を教えている陳朝陽についての報道。陳朝陽は滄州出身で、劉述来(武林百傑)の教え子と紹介…

『黒帯ドラゴン(Black Belt Jones)』など

2015年の秋、掲題の作品が、長らくDVD化されていない幻の作品というふれこみでケーブルテレビで放送されたので観てみた。主演は『燃えよドラゴン』でアフロ空手家を演じたジム・ケリー、監督も『燃えドラ』と同じロバート・クローズ。『燃えドラ』(しつ…

ペマ・ツェテン『五色の矢』

東京外国語大学で行なわれた掲題の映画の上映会に行ってきた。 チベット文学と映画制作の現在: ペマ・ツェテン監督『五色の矢』上映会 東京フィルメックスで同監督の最新作『タルロ』が上映されるにあたり、昨年監督した作品を上映したいということで実現し…

「洋人大力士」たち

ドニー・イェンの人気シリーズ『イップマン』のシリーズ第3作の予告編がちらほらと流れてくるようになった。今回は、マイク・タイソンと戦うらしい。 www.youtube.com 娯楽映画のこのシリーズで、史実との整合性とかを求めるのは野暮だけれど、イップマンに…