中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 。頭の体操なので、たまたま立ち寄られた方は決して鵜呑みにしないこと(これ、肝要)※2015年2月、はてなダイアリーより移行

峨眉派

較場口事件(1946)

重慶では、各団体と市民が、2 月 10 日に同市の較場口で、〈重慶各界の政協会議の成功を祝う大会〉を行った。実際は、この大会開催の責任者は民主同盟中央委員李公樸(後に昆明で国民党の特務に暗殺された)である。同大会の宣言である〈全国人民に告げる書…

楊祥全「洪洞通背拳:失传的太极长拳―兼论太极拳研究的一个可能路径」

紅拳について調べていて、たまたまヒットした論文。 全文は以下のリンク先に。 洪洞通背拳:失传的太极长拳―兼论太极拳研究的一个可能路径_学术论文网 作者の楊祥全は、洪洞通背拳についての技術解説書も出しているけれど、そちらは未入手。 初出は《搏击· 武…

武術賽事の管理強化、ジャック・マーの『功守道』、「峨眉武術発祥の地」など

11月4日に開かれた雲南省武術協会の全体委員拡大会で、胡宝林が全会一致で主席に選ばれたらしい。 胡宝林といえば、自分が武術を始めた頃の現役選手で、四川の任剛とならぶ通背拳の名手だった。ライバル任剛は四川省武術協会の主任としてさまざまなアイデア…

孫徳朝、趙明、康意「 峨眉武术研究三十年」

前回、過去100年の少林武術研究を振り返る論文についてメモしたあと、ちょうどよいタイミングで、内江師範学院の学報に載った峨眉派武術についての研究状況を振り返る論文を見つけたのでメモ。 〇以下のリンクのPDFのボタンでPDFファイルのダウンロードが…

何定鏞『巴蜀武林英豪』出版など

掲題のタイトルの本が出版されたらしい。「成都商報」の記事を「成都全捜索」が転載したものをメモ。 作者は四川省の何定鏞という作家らしく、この人も「武術世家」の人らしい。峨眉派を含む西南地方の武術について、特に近現代史を理解するうえで参考になる…

緑林派など(四川省の伝統武術)

四川省の緑林派拳法の老武術家(杜雲武)がなくなったという、四川在線の記事。 緑林派は、百度で調べてみると、2009年に四川省の非物質文化遺産に認定されている。動作はこんな感じらしい。四川省文化庁のHPで公開されているリストから、四川省の省レベル…

峨眉派武術の「掌門人」?

8月6日と7日に新疆で行われた天山武林大会に関する、成都の「華西都市報」の報道。 このイベントには、各派の代表が、武侠小説よろしく「掌門人」という身分で紹介されたことが話題になっているらしい。各派の掌門人が集う姿は、「中老年コスプレショー」と…

龔茂富『中国民間武術生存現状及伝播方式研究』

2013年4月に北京で購入(出版は2012年2月)。青城派武術の二つの伝承グループ、すなわち劉綏濱グループと何道君グループを対象に、その技術体系や収入・支出状況、青城山道教とのかかわりを具体的に記しつつ、武術行政における「体制外存在」としての民…

酒井忠夫『中国民衆と秘密結社』

義和拳集団の起源について、G.N.スタイガーは、それは一種の民団、つまり義勇兵による民軍であった、として、保甲制以来の中国郷村における自衛の伝統について言及していたけれど、あまり詳しい説明はなかった(『義和団』)。 この点について、酒井忠夫…

四川省における武術

「武術の里」の関連し、3つの地方における武術普及の取り組みを紹介する記事。 そのうちの二つ目、四川省の取り組み方が面白い。 2010年に就任した峨眉堂・任剛主任のもと、中央の段位制普及の動きに積極的協力や、「8月8日全民健身日活動」を通して省内の…

長江大侠 呂紫剣

2012年2月12日に亡くなった。享年119歳という。呂氏の武術は、徐本善、李国操、江英、李長叶といった人々の流れを組むらしい。以下の記事では霍元甲の「兄」になっているけれど、年齢的には呂氏の方が圧倒的に下のはず。徐本善李国操 霍元甲之“兄”…

峨嵋派武術

詳しい経緯はわからないけれど、高野山金剛峰寺、高野山霊宝館、高野山大学の一行29人が峨嵋山で峨嵋武術研究会会長の汪鍵氏らと交流と演武を行ったらしい。百度の汪鍵氏のプロフィールで紹介されているエピソードが面白い。 それによると2009年に、ムエタイ…