太極拳
12月18日の朝、ネットニュースを見たら、太極拳がユネスコの無形文化遺産のリストにのった、というニュースが流れてきた。 www.afpbb.com www.chinanews.com 無形文化遺産、中国的にいえば非物質文化遺産については、このブログをはじめた当初から、ユネスコ…
以前にメモしたけれど、中央国術館の張館長(このときはまだ「館長」という肩書はないので、「理事」と呼ぶべきか)は、国術館(研究館)の設立後まもない1928年の6月に西北軍以来の随員や、王子平らを引き連れて蘇州青年会の招きで蘇州を訪れ講演と演武を行…
フォローアップ系の小ネタ数件。 1. 蘭州で「通備武芸文化伝承培訓中心」が設立されたという。以下に、二つ、関連動画ニュースを貼り付け。一つ目のニュースの中で、同種の組織としては蘭州ではじめて設立されたものと紹介されているけれど、2012年に開催さ…
タイトルに惹かれて中古本を買ったまま読めずにいたハードカバーの吉尾寛『明末の流賊反乱と地域社会』を、年末年始の休みを利用して読んでみた。 www.kyuko.asia ちょうど、明末清初を題材にした、小説(金庸『碧血剣』 )を読んだり、映画(『白髪妖魔伝』…
いくつか、過去のメモとの関係がありそうなフォローアップ系の小ネタをまとめてメモ。 1.井上靖「壷」 老舎の短編「断魂槍」との関連で、老舎が来日した際に語った話をもとに井上靖が書いたエッセイ「壺」をずっと読みたいと思っていたのだけれど、まさに灯…
紅拳について調べていて、たまたまヒットした論文。 全文は以下のリンク先に。 洪洞通背拳:失传的太极长拳―兼论太极拳研究的一个可能路径_学术论文网 作者の楊祥全は、洪洞通背拳についての技術解説書も出しているけれど、そちらは未入手。 初出は《搏击· 武…
少し前に修剣痴についてメモした際に、沙国政が長沙講武堂で修剣痴の指導を受けとされていることをメモしたけれどその前後、雲南省で武術を教えるまでの沙国政の足取りをざっと調べてみた。 1927年ごろに山東から天津に出て、王之和、馬興義らと交流を深め、…
調べものをしていて、以下の記事に、「鼻子李」こと李瑞東の弟子の李子廉の弟子に郝明という人がいて、ベルリンオリンピックの国術代表団の引率(領隊)を務めたと書いてあった。おそらくは、張文広『我的武術生涯』等では郝銘と書かれている人物のことだと…
6月10日、中国は「文化(遺産)と自然遺産の日」だったらしく(注)、各地で行なわれたイベントの中には武術に関連するものもあったようで、検索するといくつかの関連記事がヒットしたので、いくつか気になったものをメモ。(順番には特に意味無し。) (注…
GW前後、中国武術関係のニュースでは、「雷公太極」の魏雷とMMAの徐暁冬の勝負についての話題で持ち切りだったけれど、中国武術協会が果し合い(約架)などの「違法行為」に反対するという強い声明を出し、かつ徐暁冬のウェイボーのアカウントの閉鎖など、個…
北京体育学院の武術系を卒業し1965年に国家体育運動委員会の武術処に配属された張山の『武林春秋』は2012年に人民体育出版社から出版されている。 zigzagmax.hatenablog.com 600ページにも及ぶ大著のようで、とても興味があるのだけれど、いまだ入手する機会…
何度かメモしているけれど、少林武術が信仰の対象にしている「緊那羅」王、もともとは音楽神であり、本来、武神であるべきは似た名前の「那羅延」であるという説がある。(那羅延は那羅延執剛神ともいわれ、阿形、つまりは仁王様の一方。) zigzagmax.hatena…
1989年から1990年にかけて、北京体育学院に留学中に、何となく買った本。当時はこんな本を読む語学力などなかったものの、たまたま部屋に遊びに来てくれた担任の呂先生が「おっ、いい本読んでるじゃないか」といってくれたのがうれしくて、留学時代の思い出…
先日、国会図書館のデジタルコレクションを調べたとき、あまり意識していなかったけれど、検索範囲が「インターネット公開」となっていたようで、検索範囲を、「図書館送信資料」に広げて検索してみたら、違うものがヒットした。個人PCではアクセスできない…
国会図書館のデジタルコレクションの中から、気になったものを今後の参考のためにメモ。 1.佐久間貞次郎『支那風俗春秋』 「五十一 国術」 キーワード「国術」で検索していくつかヒットするなかでほとんど唯一興味深いもの。 著者の佐久間貞次郎は回教研究が…
中華伝統武術連盟なる組織が立ち上がったというニュースを見て、関連情報を調べているうちに、「2016伝統武術年度人物」が選出されたという別のニュースを見つけたので、二つあわせてメモ。 1.中華伝統武術連盟 10月2日、河北省固安に108門派の300人あまりが…
全日本武術太極拳選手権大会の大会パンフレット(2016年の7月に開催された第33回のもの)によると、武術競技の世界で、従来の自由演技に対して、「武術の国際化の流れのなかで、各国の選手の技術の向上を促進し、また、審判をより合理的に行なうために」、統…
国家体育総局のウェブサイトに、「中国武術発展五年計画(2016-2020年)」の発表に関する記事が掲載された。 国家体育总局 この電子メモ帳は2011年にはじめていて、武術運動管理中心の年度計画については過去にも何度かメモしたこともあるけれど、こういう複…
省レベルの非物質文化遺産のなかで、まだチェックしていなかった「武術大省」河南省の状況を確認していたら、「武術河南」というサイトが立ちあがっているのを見つけた。 ◎武术河南 ※トップページのタイトルの脇には「試運行」の文字も。 国と省レベルの非物…
SNSで、麗江で行われた競技の「双人南拳」という競技の動画が流れてきた。これが個人的には衝撃的だったので、調べてみたら双人競技は、南拳のほかに、太極拳もあり、youtubeなどには、2014年の競技の動画も出ている。 ◎2014年の全国武術套路錦標賽における…
王宗岳の打手歌に「引進落空合即出」と出てくることもあり、「引進落空」という言葉は太極拳をやる人の間ではかなり知られているように思われる。「引進落空」は、人民体育出版社の『中国太極拳辞典』でも、太極拳に特色のある技法として紹介されている。(…
浙江省温州に2016年2月、武術博物館が開館するという記事。 www.wz.zj.cn 温州と武術の関係がすぐにピンとこなかったので調べてみると、以下の記事に次のような記述があり、歴代の武挙の人材を輩出していることがわかる。 从现存历史资料看,温州武术的全面…
太極拳の起源とも関係のある河南省博愛県李氏家譜に関連して、youtubeでたまたま二つの動画を見つけたのでメモ。 一つ目の動画は、北京師範大学(いまは北京大学?)の趙世瑜教授が、現地で調査をしている様子とおもわれる。 www.youtube.com 後半の方でカメ…
東京国立博物館に、『始皇帝と大兵馬俑』展を見に行ったついでに、東洋館で常設展を見ていたら、イラクのハトラから出土したパルティア時代のヘラクレス像に以下のような解説がついていた。 ヘラクレスはギリシア神話最大の人気者で、大神ゼウスと人間の子ア…
先日、kung-fu tea というサイトで、tiger soldierについての記事を読んだ(といっても、ポップアップの翻訳機能を使いながら斜め読みしただけ)。アヘン戦争の頃、外交団に随行して中国各地を旅行したイギリス人画家のイラストや、写真のなかにでてくる、虎…
先日『燕京武術』を読んだ勢いで、同じシリーズの『燕趙武術』を読んでみた。こちらは、河北省を中心に流行している武術についての紹介で、DVDの収録内容としてクローズアップされているのは楊式太極拳、八極拳、翻子拳。DVDの演武者は、いずれも編著…
武術の「常識」といわれていることも、いろいろ遡って考えると、実はよくわからないことも多い。 中国武術は内家拳と外家拳に大別されるという考え方も、その一つのような気がする。 以下の動画は、そもそもどういう目的で作られたものか、よくわからないけ…
無極拳(無極武術)についてのニュース(最後にコピペ)を見たので、天津市の非物質文化遺産について、天津非物質文化網で調べてみた。このページは、天津市の国レベルの非物質文化もあわせて紹介されていて、わかりやすい。 ■ 独流通背拳 独流は地名 。「太…
昨年、于志鈞の『太極拳史』を読み終えたあとに、勢いにまかせて同氏の『中国伝統武術史』もあわせて読んだ(注1)。要点だけでもすぐメモしておきたかったのだけれど、なかなかまとめらなくて放置してあったメモを改めて読み直して少し整理してみた。于志鈞…
去年の9月、南方週末にこんな記事が出ていたなんて気がつかなかった。とても貴重な記事なので長いけど全文を保存。毛沢東語録拳については、以前に北京体育学院の「武術革命」戦闘隊が、南口鉄路機械厰の労働者の協力を得ながら「毛沢東語録拳」と「毛沢東…