中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 ※2015年2月、はてなダイアリーより移行

伝統武術

民間武術組織および主要伝承者に関する調査 など

気がつかなかったけれど、今年の3月に、国家体育運動総局武術運動管理中心が、各地の武術管理部門に対して、管轄地域内の民間の武術団体と主要な伝承者について調査して報告するように指示する公文書を発出していた。 关于对民间武术组织及主要传承人进行普…

古典技法の復元に関するシンポジウム

気が付かなかったけれど、2017年の6月に、北京体育大学で、『紀效新書』「拳経捷要篇」に書かれた技法の復元に関するシンポジウムが開かれていた模様。 北京体育大学 記事から、シンポジウムには通背纏拳の陳国鎖、心意六合拳の沈錦康、翻子拳の靳万発、太乙…

「昆侖大師杯」全国潭腿伝統武術精英賽など

7月14日と15日、河北省邢台市の臨西県で潭腿と伝統武術の競技会が開かれたというニュースが流れてきた。正式な名称は「「昆侖大師杯」全国潭腿伝統武術精英賽」というらしく(注1)、開催は去年に引き続き今年で2回目になるらしい。 ここでいう「潭腿伝統武…

清代陝西塩商と会党と武術  楊宝生・王培仁「走近紅拳的大師們」など

四川省自貢市は塩の都といわれ、岩塩が有名だけれど、ここの塩田は陝西省の商人たちが開発をしていたらしい。 四川の塩田の関係者10人中7~8人が秦人であったともいい、現在自貢市にのこっている塩業歴史博物館も、もともと陝西商人の同郷会館であった建物ら…

蔡李仏拳博物館など

3月のはじめに広東省江門市の政治協商会議の一行が市内の蔡李仏拳博物館を視察したという記事を見かけて、そんな博物館があったのかと思って調べてみた。 市政协专题视察蔡李佛拳博物馆 传承弘扬侨乡武术文化精髓-政务要闻-江门市人民政府门 2001年の秋に蔡…

『イップ・マン 継承』『イップ・マン 最終章』など

公開時、見逃していた『イップ・マン 継承』を、先日アマゾンプライムの週末特典100円で先日ようやく観賞。 アクション的には、マイク・タイソン(そこそこ台詞もあって、役者っぷりも見事!)、売り出し中のマックス・チャンとの対決など見ごたえがあったけ…

葉雲表、梁漱溟、杜心五など 郷村建設と武術

詳細はまだ確認できていないものの、以前にメモしたように中華武士会の初代会長・葉雲表は、1930年代には山東で梁漱溟の郷村建設理論に基づいて鄒平県に作られた実験区の活動にかかわっていたらしい。 〇関連のメモ zigzagmax.hatenablog.com この点について…

岳家拳、満江紅など

少し前に全球功夫網に掲載された、岳家拳についての紹介記事によると、岳飛に由来する「岳家拳」で「全国的に比較的突出」しているのは(1)河南省新郷の路全振、張開明を代表とする新郷岳家拳、(2)湖北省黄梅の雷傑を代表とする黄梅岳家拳(注)、(3)湖…

「約架」事件

GW前後、中国武術関係のニュースでは、「雷公太極」の魏雷とMMAの徐暁冬の勝負についての話題で持ち切りだったけれど、中国武術協会が果し合い(約架)などの「違法行為」に反対するという強い声明を出し、かつ徐暁冬のウェイボーのアカウントの閉鎖など、個…

武當派武術の標準化

武當派武術の標準化套路編纂が進行中、という記事が流れてきた。 www.10yan.com 記事によると、プロジェクトは、湖北省武當山旅游経済特区の十大重点工程の一つとして2015年12月に専門のプロジェクトチームが組織され、武當拳、武當太乙拳、武當剣の標準化套…

「中国蟷螂拳発源地」

全球功夫網の、陝西省淳化県の官荘中学で蟷螂拳が全面的に取り入れられることになったという記事を読んでいたら、「中国蟷螂拳発源地」という文字がでてきたので、どういうことなのかと思ったら、淳化県では、蟷螂拳の創始者といわれている王郎(王文成)は…

張山の語る中華人民共和国の武術

北京体育学院の武術系を卒業し1965年に国家体育運動委員会の武術処に配属された張山の『武林春秋』は2012年に人民体育出版社から出版されている。 zigzagmax.hatenablog.com 600ページにも及ぶ大著のようで、とても興味があるのだけれど、いまだ入手する機会…

青海省の武術

青海省の武術について紹介するニュースが流れてきた。 八門拳、八門駟拳、査拳に言及されている。 sports.sohu.com 青海省の武術については、以前にぺマ・ツェテン監督の映画 『五色の矢』をみたときに、国レベルと省レベルの非物質文化遺産について調べたこ…

“2O16伝統武術年度人物”など

中華伝統武術連盟なる組織が立ち上がったというニュースを見て、関連情報を調べているうちに、「2016伝統武術年度人物」が選出されたという別のニュースを見つけたので、二つあわせてメモ。 1.中華伝統武術連盟 10月2日、河北省固安に108門派の300人あまりが…

「香港武術活態資料庫」など

以前に、香港城市大学と中華国術総会が進めている、3Dモーションキャプチャーを利用した香港の伝統武術のアーカイブ化のプロジェクトについてメモした。 zigzagmax.hatenablog.com 以下の記事によると、この9月から開催される第2回香港文化フェスティバル…

段位制いろいろ

以下のニュースのなかで、馬志堅は「世界功夫武術段位制総会」の主席だとかいてあったので、そういう組織・段位認定のしくみがあるのかと思って調べてみた。 hk.apple.nextmedia.com 公式ウェブサイトによると、世界功夫武術段位制総会は2004年にバンクーバ…

蔡龍雲「我対武術的看法」

12月19日、「神拳大龍」蔡龍雲が逝去したというニュースが流れてきた。享年87歳。謹んでご冥福をお祈りする。 ご葬儀は12月24日行なわれた。 news.twoeggz.com ロシア人マスロフ、アメリカ人ボクサー「黒獅子」ルサールを倒して「神拳大龍」と呼ばれたことは…

山西商人(晋商)と武術

参考資料として買っておいた陳振家『原伝戴氏心意六合拳』の冒頭をぱらぱらと見ていたら、戴魁の頃、益晋染織有限公司が1909年にシーメンスの発電機を導入した際、オーナーの喬殿森がドイツ人の勤勉な働きぶりに関心して工場の管理をまかせることにしたとこ…

蘭州・甘粛省の武術

蘭州日報の記事によると、蘭州市には200種類を超える武術があるらしい。 200種類の内容を、徒手類、棍術類(条子、鞭杆を含む)、非棍術類と分けているところが、棍術で有名な西北地方らしくて面白い。 以下は記事の全文。 兰州地方武术有200余种类,你知道…

周世勤、楊祥全『燕京武術』

天津の武術を紹介した楊祥全の『津門武術』という本が面白そうで、著者について調べていたら、掲題の本の著者(周世勤との共著)であることがわかった。 地方ごとの武術を紹介したこのシリーズは、ちょうど仕事で中国に駐在していたころに出版されたのだけれ…

伝統武術のアーカイブ化プロジェクト

1. 香港では、香港城市大学と中華国術総会が、3Dモーションキャプチャーを利用した香港の伝統武術のアーカイブ化のプロジェクトを進めているらしい。 サウスチャイナモーニングポストの記事によると、2013年以来、19流派・40人の師範の協力を得つつ、120の…

「空手のルーツを探る」シンポジウム

去る1月25日、沖縄の浦添市で、福建省からも研究者を招き、空手のルーツに関するシンポジウムが開かれたらしく、沖縄と福建省の両方のメディアから報道されている(琉球新報と泉州晩報。最後に双方の記事をコピペ)。 琉球晩報の記事によると、このシンポ…

天津市の非物質文化遺産

無極拳(無極武術)についてのニュース(最後にコピペ)を見たので、天津市の非物質文化遺産について、天津非物質文化網で調べてみた。このページは、天津市の国レベルの非物質文化もあわせて紹介されていて、わかりやすい。 ■ 独流通背拳 独流は地名 。「太…

尚武斎

天津「尚武斎」の周靖軒老師、you tubeにたくさん動画が公開されており、ときどきチェックしていたのだけれど、なんと51歳という若さでお亡くなりになったというニュースが。絶句。 永安公墓播报:武术名家周靖轩安葬于永安公墓 永安公墓 天津北方网讯:1月3…

蘭州通備武学発展研究会総括大会

中国は基本的に旧暦なので、西暦の元旦はあまり派手なお祝いをしないけれど、1月1日に掲題の会合が開かれたらしい。 甘粛網と全球功夫網に関連の報道が見える(最後にコピペ)。甘粛網の記事では、2010年から2014年の活動がわりと具体的に述べられており、…

洪拳泰斗・趙志凌

黄飛鴻-林世栄-趙教と連なる洪家拳の使い手として「国際洪拳趙志凌国術会」などの組織も運営しているという(未詳。ウェブサイトはないのかな?)、俳優の趙志凌(日本ではチャウシンチーの『カンフーハッスル』が有名か?)の、競技武術のオリンピック競技…

『高手在民間』

『高手在民間』というテレビ番組の撮影がスタートし、記者発表が行われたという新華網の記事。 両義点穴神拳、八門拳、崑崙派、陰陽八式、蔵武門礼儀扇、龍吟剣などなど、紹介してゆくことになるであろう流派の名前が聞きなれないものばかりでちょっと面白か…

第七次全国武術工作会議

第七次全国武術工作会議が開催されたらしい。関連する3つの記事をコピペ。 今回の会議は中国武術協会の第10回会議をかねていて、ここでは幹部の代替わりがあったようだ(二つ目に引用した全球功夫網の記事に名前が出ている)。 全国武術工作会議における…

満江紅 2

「滄州通臂劈掛門」の動画に、満江紅がでてきたので(3'48”あたり)、とりあえずメモ。前にメモしたものと同じなのかどうか、俄かに判断がつかない。これも、歌にあわせながら練習するんだろうか。9'53”くらい、八極対接のあたりから、軽妙にアレンジされた…

張大為『武林掌故』

出張時に北京空港内の書店で購入。 作者の張大為は、呉斌楼のお弟子さんで、体育関係の新聞記者として70年代に北京を中心に多くの取材をされたようで、この本はそれをまとめたものらしい。(ただし、それぞれの内容がいつ、どのような媒体に発表されたのか、…