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中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 ※2015年2月、はてなダイアリーより移行

武術競技の国際化(国際武術聨合会 呉廷貴取材記事)

国家体育運動総局のウェブサイトに、国際武術聨合会執行副主席の呉廷貴(Anthony Goh)への取材記事(中国体育報からの転載)が掲載されたのでメモ。 呉廷貴は米国籍の華人。 GKF - History 記事によると、国際武術聨合の会員は現在147(記事によれば、それに対…

国家武術套路集訓隊

今年のCCTV「春節聨歓晩会」の武術関連のプログラムは、先日、設立が発表されたばかりの「国家武術套路集訓隊」メンバーによる演武だった。 www.youtube.com 幹部を含む、「集訓隊」のメンバーは以下のとおり。 このメンバーの中から、9月の世界武術選手権…

過去メモのフォローアップ数件

いくつかフォローアップ系の小ネタ。 1.竇奉三・馬歩周『国術概論』 馬礼堂(馬歩周)が「志然」名義で書いたような過激な議論が展開されているのかと思って読んでみたら、中身は至極まっとうに国術の価値や功能を論じたものだった。 若干、意表を突かれた気…

「中国蟷螂拳発源地」

全球功夫網の、陝西省淳化県の官荘中学で蟷螂拳が全面的に取り入れられることになったという記事を読んでいたら、「中国蟷螂拳発源地」という文字がでてきたので、どういうことなのかと思ったら、淳化県では、蟷螂拳の創始者といわれている王郎(王文成)は…

張山の語る中華人民共和国の武術

北京体育学院の武術系を卒業し1965年に国家体育運動委員会の武術処に配属された張山の『武林春秋』は2012年に人民体育出版社から出版されている。 zigzagmax.hatenablog.com 600ページにも及ぶ大著のようで、とても興味があるのだけれど、いまだ入手する機会…

張宝瑞編『北京武林軼事』

1989年から1990年にかけて、北京体育学院に留学中に、何となく買った本。当時はこんな本を読む語学力などなかったものの、たまたま部屋に遊びに来てくれた担任の呂先生が「おっ、いい本読んでるじゃないか」といってくれたのがうれしくて、留学時代の思い出…

霍元甲の上海来訪と逝去

前回のメモを書いているとき、南洋大学技撃部が精武体育会から講師を呼んでいたことを確認しようと思い、精武体育会関係の本をいくつか見ていたら、霍元甲の没年を1909年9月としているものと、1910年9月としているものがあることがわかった。 1. 1909年説を…

李想白「支那に於ける「國術」の流派に就て 」など 国会図書館デジタルコレクション2

先日、国会図書館のデジタルコレクションを調べたとき、あまり意識していなかったけれど、検索範囲が「インターネット公開」となっていたようで、検索範囲を、「図書館送信資料」に広げて検索してみたら、違うものがヒットした。個人PCではアクセスできない…

青海省の武術

青海省の武術について紹介するニュースが流れてきた。 八門拳、八門駟拳、査拳に言及されている。 sports.sohu.com 青海省の武術については、以前にぺマ・ツェテン監督の映画 『五色の矢』をみたときに、国レベルと省レベルの非物質文化遺産について調べたこ…

気になる新作映画たち

ネットでニュース等がながれてきて、ちょっと気になる映画をまとめてメモ。 1. Birth of the Dragon www.excite.co.jp 確かに予告編でも白人青年の存在が目立つ気がする。 www.youtube.com 2.鉄道飛虎 ジャッキー・チェンが「抗日もの」に出演ということで話…

佐久間貞次郎『支那風俗春秋』など 国会図書館のデジタルコレクション

国会図書館のデジタルコレクションの中から、気になったものを今後の参考のためにメモ。 1.佐久間貞次郎『支那風俗春秋』 「五十一 国術」 キーワード「国術」で検索していくつかヒットするなかでほとんど唯一興味深いもの。 著者の佐久間貞次郎は回教研究が…

“2O16伝統武術年度人物”など

中華伝統武術連盟なる組織が立ち上がったというニュースを見て、関連情報を調べているうちに、「2016伝統武術年度人物」が選出されたという別のニュースを見つけたので、二つあわせてメモ。 1.中華伝統武術連盟 10月2日、河北省固安に108門派の300人あまりが…

『中国武術青書』など

9月2日、上海体育学院武術学院に23省(直轄市、自治区を含む)35機関から61名の専門家が集まり、『中国武術青書(中国武術藍皮書)』の編集に関する会議が開かれたという記事。 中国武术启动蓝皮书研制工作-武术学院 (最後に全文をコピペ) 会議は、国家体…

一貫道、薛顛、孫錫堃など

徐浩峰(徐皓峰)が形意拳家の李仲軒の口述をまとめ、一時話題になった『逝去的武林』でも紹介されていた薛顛は、以下の記事によると、中華人民共和国の建国初期に一貫道が取り締まられるなかで「拳覇」として指名手配され、つかまって銃殺されたのだという…

アベンジャーズ、ジャスティスリーグと百八星

マーベル・コミックのヒーローたちが数年前からアベンジャーズという形で集結しはじめているけれど、もう一方の雄、DCコミックのヒーローたちもジャスティス・リーグという形で集結しはじめている(コミックの世界ではとうの昔に集結しているらしく、映画で…

『スペシャルID 特殊身分』

少し前のある晩、ケーブルテレビの番組表を見ていたら、ドニー・イェン主演の掲題の作品がまもなく放送されるタイミングだったので、特に期待もせず鑑賞してみた。 ◎日本公開時の予告編 www.youtube.com 『インファナル・アフェア』ばりに、ドニー・イェンが…

国際武術連合会が国際功夫連合会を封殺?

中国武術協会が、各省、市、県の武術協会と会員に対して、国際功夫連合会との一切のかかわりを禁じる旨の通知をだしたというニュースが流れてきた。 これは、国際武術連合会(IWUF)が、国際功夫連合会(IKKF)を対立組織と認定し、各国の会員機関に…

ムーランカンフー、湖北省の非物質文化遺産

国家体育運動総局のウェブサイトに「木蘭武術」についての記事(最後に全文をコピペ)が載っていたので、メモ。 この記事で敢えて「木蘭「武術」」という言い方をしている理由がよくわからないけれど、インターネット上には「木蘭」の名前を冠したものに「木…

騎士道、武士道、国術魂・・・

何かのついでに目にとまった佐伯真一『戦場の精神史 武士道という幻影』を読んでみた。 戦場の精神史 ~武士道という幻影 (NHK出版) 作者: 佐伯真一 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2004/05/30 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 11回 この商品を含む…

天津中華武士会研究会成立

少し前になるけれど、全球武術網に、中華武士会についての研究会が設立されたという記事が5月の終わりに掲載された(最後に全文を貼り付け)。 中華武士会は、2012年前後に、100周年を記念して様々な活動や関連書籍の出版(再販を含む)が行なわれてきた。…

美式角力、ワン・ビンなど

少し前に、アントニオ猪木のIGF所属の中国選手・ワンビンが米プロレスWWEと契約したというニュースが流れてきた。 www.tokyo-sports.co.jp ◎IGFオフィシャルサイトから、ワンビンのプロフィール www.igf.jp 2008年から2010年まで中国に駐在していたときは、(…

段位制いろいろ

以下のニュースのなかで、馬志堅は「世界功夫武術段位制総会」の主席だとかいてあったので、そういう組織・段位認定のしくみがあるのかと思って調べてみた。 hk.apple.nextmedia.com 公式ウェブサイトによると、世界功夫武術段位制総会は2004年にバンクーバ…

西の少林寺、北の少林寺

重慶市江津区中山古鎮の双峰寺を改装する形で2012年ごろから計画が進められていた「西部少林寺」は、2015年の秋に完成、今年の2月になって対外開放していたらしい。小さな旗がたくさん飾られていたりして、寺院というより、テーマパークのようだ。仕事で重慶…

80年代の大陸発功夫女明星

孫建明主演『峡江疑影(邦題:三峡必殺拳)』を久しぶりに見て、孫建明演じる林傑に命を救われて好意を抱く小翠役を演じていた王秀萍が気になったので調べてみたら、この人も北京武術チームの出身だった。 王秀萍は、これまた北京武術チーム出身で、『三峡必…

陳白塵撰述・佐藤公彦訳『黒旗軍 十九世紀中国の農民戦争』

以前から気になっていた掲題の本の、図書館除籍本がアマゾンで安く売られていたので購入してみた。 黒旗軍―19世紀中国の農民戦争 (研文選書) 作者: 陳白塵,佐藤公彦 出版社/メーカー: 研文出版 発売日: 1987/10 メディア: 単行本 クリック: 4回 この商品を含…

2016年全国武術協会主席秘書長会議など

旧正月に伴う大型連休は、国内の活動がストップするせいだろうか、今年も中国以外での諸外国における武術を報道する記事が目立った。 ◎レバノン 現地で十年以上武術を教えている陳朝陽についての報道。陳朝陽は滄州出身で、劉述来(武林百傑)の教え子と紹介…

『黒帯ドラゴン(Black Belt Jones)』など

2015年の秋、掲題の作品が、長らくDVD化されていない幻の作品というふれこみでケーブルテレビで放送されたので観てみた。主演は『燃えよドラゴン』でアフロ空手家を演じたジム・ケリー、監督も『燃えドラ』と同じロバート・クローズ。『燃えドラ』(しつ…

霍元甲、同盟会、「東亜病夫」など

1月18日は霍元甲の誕生日だったようで、その前後に霍元甲についてとりあげたサイトも少なくなかった。 その関連でいろいろ見ていたときにyoutubeで見つけたCCTVの人気番組「百家講談」で霍元甲をテーマに語られた回(2015年5月の放送)の動画が興味深かった…

温州武術博物館など

浙江省温州に2016年2月、武術博物館が開館するという記事。 www.wz.zj.cn 温州と武術の関係がすぐにピンとこなかったので調べてみると、以下の記事に次のような記述があり、歴代の武挙の人材を輩出していることがわかる。 从现存历史资料看,温州武术的全面…

国家武術研究院2015専門家会議など

年末年始に、中央及び各地でいくつかの年間活動総括・表彰が行なわれている。具体的な個人名などは、いろいろ調べてゆくヒントになるので、目についたものをメモ。 1.国家武術研究院の専門家会議 politics.sports.cn このニュースをみて、武術研究院の院長が…

蔡龍雲「我対武術的看法」

12月19日、「神拳大龍」蔡龍雲が逝去したというニュースが流れてきた。享年87歳。謹んでご冥福をお祈りする。 ご葬儀は12月24日行なわれた。 news.twoeggz.com ロシア人マスロフ、アメリカ人ボクサー「黒獅子」ルサールを倒して「神拳大龍」と呼ばれたことは…

各地の人気拳師投票活動

1. 煙台で去る11月に地元の十大拳師を選出したというニュース。 www.shm.com.cn 十大拳師は、原楽志(呉式太極拳)、楊応健(陳式太極拳)、孫玉永(尹派宫式八卦掌)、侯利民(陳式太極拳)、周振東(太極蟷螂拳)、劉紅玉(摔跤?テコンドー?)、楊応業(…

氏家幹人『大江戸死体考』など

中国武術の本ではないけれど、掲題の本を古本屋でたまたま目にして、ぱらぱらとめくってみたら第2章が「様斬(ためしぎり)」というタイトルになっており、面白そうだったので買ってみた。 江戸時代になってまもなくは、将軍はじめ各国の領主も、自ら武器を…

「洋人大力士」たち

ドニー・イェンの人気シリーズ『イップマン』のシリーズ第3作の予告編がちらほらと流れてくるようになった。今回は、マイク・タイソンと戦うらしい。 www.youtube.com 娯楽映画のこのシリーズで、史実との整合性とかを求めるのは野暮だけれど、イップマンに…

インタビュー数件

トップランナーたち・・・、とっていいのかどうかわからないけれど、最近目に付いたインタビューや個人に取材した記事と周辺情報。 1.馬文国(西安体育学院武術系主任) 「拳種」の形式をとって発展してきた中国の武術の中には、単純な勝負と技法には納まりきら…

馬剣編著『燕趙武術』

先日『燕京武術』を読んだ勢いで、同じシリーズの『燕趙武術』を読んでみた。こちらは、河北省を中心に流行している武術についての紹介で、DVDの収録内容としてクローズアップされているのは楊式太極拳、八極拳、翻子拳。DVDの演武者は、いずれも編著…

第11回アフリカ競技会 The 11th All-African games

コンゴのブラザヴィルで行われたアフリカ競技会の開幕式で武術のパフォーマンスがあったらしく、YouTubeで動画が公開されていた。 アフリカの人々が中国の民族衣装を着て演武している姿は、なんだかまだしっくりこないけれど、柔道や空手が世界に普及しはじ…

張之江『東遊感想録』

以前にメモした、張之江『東遊感想録』、その後の調べて駒込の東洋文庫に所蔵されていることがわかったので、閲覧に行ってきた。 ■朱培徳の題字は「張之江先生東「游」感想録」だけど、本文の方は「東「遊」感想録」になっている。このメモでは「東遊感想録…

蘭州・甘粛省の武術

蘭州日報の記事によると、蘭州市には200種類を超える武術があるらしい。 200種類の内容を、徒手類、棍術類(条子、鞭杆を含む)、非棍術類と分けているところが、棍術で有名な西北地方らしくて面白い。 以下は記事の全文。 兰州地方武术有200余种类,你知道…

知野二郎『香港クンフー映画評論集 龍熱大全』

地元図書館の、たまにしか行かない分館で発見し、読了。こんな素敵な本がおいてあるなんて、わが地元の図書館もなかなか捨てたもんじゃないなあ。だれかマニアが住んでるんだろうか。 龍熱大全 - 香港クンフー映画評論集 作者: 知野二郎 出版社/メーカー: ぴ…

徐皓峰『武士会』

この夏中国で公開されたチェン・カイコーの『道士下山』の原作者であり、自身がメガホンをとった『師父』の公開も近い徐皓峰の小説。 主人公は、李存義をモデルにした形意拳家の李尊吾で、義和団事件に関連して、天津の民間宗教のリーダー・金刀聖母(黄蓮聖…

周世勤、楊祥全『燕京武術』

天津の武術を紹介した楊祥全の『津門武術』という本が面白そうで、著者について調べていたら、掲題の本の著者(周世勤との共著)であることがわかった。 地方ごとの武術を紹介したこのシリーズは、ちょうど仕事で中国に駐在していたころに出版されたのだけれ…

黄河大侠

7月5日の深夜、フェイスブックのタイムラインに于承恵の訃報が流れてきた。日本にブルース・リー、ジャッキー・チェンにつぐ第三次カンフーブームをもたらした映画『少林寺』で、仇役をつとめ、つづく『少林寺2』ではヒロインのお父さん役、『阿羅漢』で…

内家とか外家とか

武術の「常識」といわれていることも、いろいろ遡って考えると、実はよくわからないことも多い。 中国武術は内家拳と外家拳に大別されるという考え方も、その一つのような気がする。 以下の動画は、そもそもどういう目的で作られたものか、よくわからないけ…

十大镖局、大刀王五など

全球功夫網に掲載された、中国十大鏢局という記事をもとにメモ。 十大鏢局といいながら、詳しく取り上げているのは、興隆鏢局(「神拳」こと張黒五)、会友鏢局(三皇炮捶)、成興鏢局(李冠銘、李鳳崗、李慶臨)、広盛鏢局(こちらも「神拳」こと戴二閭)の…

朱鶴亭 中国民間武術家連合会 中泰対抗戦など

広州で7月に散打とムエタイの対抗戦が行なわれるようで、広州市で記者発表が行なわれ、この会見に民間武術家を代表して香港の著名な気功家の朱鶴亭氏が訪れてエールを送った、という新浪の記事(最後に全文をコピペ)。 朱鶴亭氏については、買ってないけど…

河南大学洪浩教授のイタリア訪問

河南大学公共体育部主任の洪浩教授が段位性普及のために、イタリアに指導にゆきました、という開封網の記事。 よく見かける、海外でも段位制が注目されていることをアピールする宣伝記事として読み飛ばしてもよかったのだけれど、講師の洪浩は昨年、武術研究…

尚武斎

天津「尚武斎」の周靖軒老師、you tubeにたくさん動画が公開されており、ときどきチェックしていたのだけれど、なんと51歳という若さでお亡くなりになったというニュースが。絶句。 永安公墓播报:武术名家周靖轩安葬于永安公墓 永安公墓 天津北方网讯:1月3…

洪拳泰斗・趙志凌

黄飛鴻-林世栄-趙教と連なる洪家拳の使い手として「国際洪拳趙志凌国術会」などの組織も運営しているという(未詳。ウェブサイトはないのかな?)、俳優の趙志凌(日本ではチャウシンチーの『カンフーハッスル』が有名か?)の、競技武術のオリンピック競技…

寇運興

許昌日報に掲載された、地元出身の武術家・寇運興を紹介した記事をメモ。 そうか、寇運興は1936年のベルリンオリンピックに国術代表団として参加したメンバーの一人だったのか。 改めて、この代表団のメンバーを確認すると、武術研究院『中国武術史』で…