中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 ※2015年2月、はてなダイアリーより移行

人物

ベルリンオリンピックの国術代表団3(領隊、監督員、選考委員)

調べものをしていて、以下の記事に、「鼻子李」こと李瑞東の弟子の李子廉の弟子に郝明という人がいて、ベルリンオリンピックの国術代表団の引率(領隊)を務めたと書いてあった。おそらくは、張文広『我的武術生涯』等では郝銘と書かれている人物のことだと…

武術賽事の管理強化、ジャック・マーの『功守道』、「峨眉武術発祥の地」など

11月4日に開かれた雲南省武術協会の全体委員拡大会で、胡宝林が全会一致で主席に選ばれたらしい。 胡宝林といえば、自分が武術を始めた頃の現役選手で、四川の任剛とならぶ通背拳の名手だった。ライバル任剛は四川省武術協会の主任としてさまざまなアイデア…

「東北三省武術会」、「奉天武道振興会」など

1.海朝英 張作霖・張学良について調べていたら、海朝英という、孟村出身の武術家にたどりついた。 弾腿の名人で、なおかつ回教のアホンであったらしい。 弾腿のほかに鐵(黨)、鐵鞭、虎頭雙鉤が得意であったともいわれる。 百度百科の紹介では、1931年の「…

橋本力、闞文聡、『刀背蔵身』など

ちょっと小ネタが集まったので、まとめてメモ。 1. 『ドラゴン怒りの鉄拳』のクライマックスでブルース・リーと戦い、かつ『大魔神』の(わけのわからない日本語だ(笑))橋本力氏が10月11日に逝去された。 『大魔神』三部作は、ブルーレイプレーヤーを買っ…

套路という文化 套路運動の生命力

ネットで調べものをしていて、晩年の蔡龍雲が套路運動について語った動画を見つけた。2014年10月、上海体育学院における講座らしい。ということは、お亡くなりになる約1年前だと思われるけれど、ときどき立ちあがって実演してみせる動作や、ウィットに富んだ…

形似容易神似難

ロシアのカザンで開催されていた世界大会では、日本人選手たちもメダルを獲得したらしいけれど、捜狐の記事では、中国チームの厳平コーチのコメントを引用しながら、外国人選手の演武に欠けているものについて指摘している。 www.sohu.com やや乱暴だけど、…

ベルリンオリンピックの国術代表団2 (+予選参加者)

ベルリンオリンピック時の国術代表団、実際に渡航したのは補欠を含めて9名だけれど、予選には全部で25人が参加したらしい。そのうちわけは以下のとおり。 1936年5月11日,各地被保送的国术选手在上海延平路申园举行初次预选。参与者有赣、豫、浙、京、青、沪…

中華民国第六届全国運動大会(1935年) 女子単人比賽入賞者

かつて中国駐在中に、地元の図書館で見つけた『東方雑誌号外 第六届全運会画刊』の、女子国術入賞者の記事と写真に出ている名前を判読しようとして調べていたら休日が半日つぶれてしまった。それでも、なんとか全員判読できたような気がする。 判読した結果…

ベルリンオリンピックの国術代表団

ベルリンオリンピックの国術代表団については、いちど寇運興についてメモしたけれど、少しずつ情報が集まってきたので、ここらで一度メモしておきたい。 まずはこの動画。3年ほど前に、FB上で発見して、こんな動画が残っていたのかと度肝を抜かれた。長ら…

第13届運動会、健身気功、競技規則など

天津で開催された中華人民共和国第13届運動会は、8月30日に套路競技、9月4日に散打競技が終了した。 公式サイトに出ている套路競技、散打競技の成績はそれぞれ以下のとおり。 〇套路競技 第十三届 男子长拳、刀术、棍术全能1 山东 孙培原 29.1302 江苏 …

四川省武術協会編著『峨眉武術史略』

気になっていた掲題の本が出版されていたことを知り、ネットで取り寄せて読んでみた。 内容は、以下のとおり(日本語に仮訳) 第一章 峨眉武術の起源と萌芽 第二章 峨眉武術の形成と成熟 第三章 峨眉武術の発展と繁栄 第四章 峨眉武術の全面発展と高度昌盛 …

「鉄羅漢」張長発

前回、朱国福について調べていて、『中国武術人名辞典』の朱国福の項に、12歳から馬玉堂について形意拳を学ぶ前に張長発に少林羅漢門拳術を学んだ、と出ていたので、その張長発について調べてみた。 張長発は「鉄羅漢」の異名をもち、程廷華に八卦掌を学び、…

1923年の中西対抗ボクシング競技、朱家四虎など

1.1923年の中西対抗ボクシング競技 先日、1943年の国術とボクシングの対抗戦についてメモしたけれど、中西対抗ボクシングの競技で一番はじめに勝ったのは朱国福だといわれている(注1)。 時期は1923年8月12日。翌13日の「申報」の記事に、「中華体育会会員…

長沙の修剣痴とその門人(韓鵬堯、王之和)

二つ前のメモの冒頭に貼り付けた写真で、王潤生の隣に修剣痴が写っていたので、 修剣痴と長沙の関係について調べてみると、1920年前後から大連で通背拳の指導を行なっていた修剣痴は、早期の弟子の韓鵬堯(後述)の推挙で湖南省第2回国術考試(1932年10月)…

中国国術と西洋拳撃の対抗戦(1943)

ネットで見つけた高嶋航『「東亜病夫」と近代中国(1896–1949)』(京都大学人文科学研究所編『近現代中国における社会経済制度の再編』所収)は、西洋の比喩表現としての「病夫」が、中国では違った意味で受け止められ、尚武や軍国民思想、身体鍛錬による「…

四川省伝統弓連合会成立

2017年7月15日、四川省武術協会が伝統弓連合会を成立した開催されたというニュースが流れてきた。 sports.sohu.com 伝統弓術といえば、2016年12月出版の、馬廉禎主編『武学』の第2集は伝統弓術の特集だった(未入手)。 逸文武學書館>武學—中國傳統射箭專輯 …

弘文書院、大森体育会、中国体操学校とその関係者たち

1. 王潤生、不肖生、楊昌済、柳午亭、毛沢東など 清末の日本留学生の中に、湖南の「拳王」八拳の王潤生がいる。平江不肖生こと向愷然の「拳術見聞録」や「拳術伝薪録」では王志群と記されている人物で、帰国後は太極拳にも興味をもち、年下の呉鑑泉にも学ん…

国際武術文化伝承者

去る5月、香港に本部をおく国際武術文化研究院が、「国際武術文化伝承人」の認定を行なったというニュースが流れてきた。 2017年の認定は4回目の認定で、今回認定されたのは以下の15人 名前と地域だけでも、邵智勇は紅拳の人だとか、程克锦は陳式太極拳の人…

『東亜競技大会番組表』 国会図書館デジタルコレクション3

国会図書館の『東亜競技大会番組表』、以前に調べたときはデジタル化されていなかったのだけれど、改めて調べてたらデジタル化されており、提携図書館での閲覧が可能になっていたので、さっそく地元の図書館に見に行ってきた。 東亜競技大会番組 (大日本体育…

佟忠義、佟佩雲など

前にちらっとメモしたけれど、2、30年代の上海の映画界で活躍した査瑞龍は、精武会の出身だというけれど、佟忠義のお弟子さんでもあったらしい、ということで改めて佟忠義について調べてみた。 zigzagmax.hatenablog.com 王子平と並んで「滄州二傑」と評…

于素秋、如来神掌など

先月のメモで、「七小福」のDVD化を強く望む、と書いたところだけれど、その数週間後に、「七小福」たちの師匠・于占元の娘で、七小福のメンバーが姉と慕っていた于素秋が亡くなっていたことがわかってびっくり。享年88才。 www.recordchina.co.jp 以下は…

「約架」事件

GW前後、中国武術関係のニュースでは、「雷公太極」の魏雷とMMAの徐暁冬の勝負についての話題で持ち切りだったけれど、中国武術協会が果し合い(約架)などの「違法行為」に反対するという強い声明を出し、かつ徐暁冬のウェイボーのアカウントの閉鎖など、個…

高段位認定者(2017.4、2016.7)のアップデート

2017年4月25日、中国武術協会が高段位者の認定に関する通知を発表した。 それで調べてみたら、前回メモした2015年12月の認定以来、2016年6月にも何瑞虹ら26人の段位認定が行われていたことがわかったので、今後の参考のために、それぞれ簡単にメモ。 1.2016…

『激闘!アジアン・アクション映画大進撃』

『ドラゴン・ガール』のメモの最後に、アジアのアクション映画が旬なのか?とメモしたら、数日後にこの本が出版されてびっくり。さっそく手にとってみると、充実した中身で(とくに、知野二郎「伝説の映画帝国、邵氏兄弟有限公司 ---その栄光と波乱の興亡史…

「鷂子高三」など

たまたま「鷂子高三」こと高占魁について調べていたら、最近「鷂子高三」という映画がクランクインしたというニュースがヒットした。 www.qqgfw.com また、気づかなかったけれど、2016年の9月には、陝西省銅川市耀州に鹞子高三記念館がオープンしていた。 ww…

武術競技の国際化(国際武術聨合会 呉廷貴取材記事)

国家体育運動総局のウェブサイトに、国際武術聨合会執行副主席の呉廷貴(Anthony Goh)への取材記事(中国体育報からの転載)が掲載されたのでメモ。 呉廷貴は米国籍の華人。 GKF - History 記事によると、国際武術聨合の会員は現在147(記事によれば、それに対…

国家武術套路集訓隊

今年のCCTV「春節聨歓晩会」の武術関連のプログラムは、先日、設立が発表されたばかりの「国家武術套路集訓隊」メンバーによる演武だった。 www.youtube.com 幹部を含む、「集訓隊」のメンバーは以下のとおり。 このメンバーの中から、9月の世界武術選手権…

過去メモのフォローアップ数件

いくつかフォローアップ系の小ネタ。 1.竇奉三・馬歩周『国術概論』 馬礼堂(馬歩周)が「志然」名義で書いたような過激な議論が展開されているのかと思って読んでみたら、中身は至極まっとうに国術の価値や功能を論じたものだった。 若干、意表を突かれた気…

「中国蟷螂拳発源地」

全球功夫網の、陝西省淳化県の官荘中学で蟷螂拳が全面的に取り入れられることになったという記事を読んでいたら、「中国蟷螂拳発源地」という文字がでてきたので、どういうことなのかと思ったら、淳化県では、蟷螂拳の創始者といわれている王郎(王文成)は…

張山の語る中華人民共和国の武術

北京体育学院の武術系を卒業し1965年に国家体育運動委員会の武術処に配属された張山の『武林春秋』は2012年に人民体育出版社から出版されている。 zigzagmax.hatenablog.com 600ページにも及ぶ大著のようで、とても興味があるのだけれど、いまだ入手する機会…