中国武術雑記帳 by zigzagmax

当世中国武術事情、中国武術史、体育史やその周辺に関する極私的備忘録・妄想と頭の体操 ※2015年2月、はてなダイアリーより移行

高校受験と武術 武術進校園5

澎湃新聞の記事によると、河北省の人民代表大会で、滄州の尹広軍は滄州の中小学校において、伝統武術を取り入れようという提案を改めて行ったらしい。 www.thepaper.cn 同記事によると、滄州市では2009年には伝統武術を学校教育に取り入れるため、滄州市体育…

ロバート・ビッカーズ『上海租界興亡史 イギリス人警察官が見た上海下層移民社会』など

ロバート・ビッカーズ『上海租界興亡史 イギリス人警察官が見た上海下層移民社会』は、新年早々、調べたいことがあって行った地元の図書館でたまたま見つけた本だけれど、第一次世界大戦でフランス戦線に参加し、除隊後、上海に赴任したモーリス・ティンクラ…

伝統武術の回復、規範化など

年末年始に目に留まったニュースから。 1.伝統武術の保護、規範化 北京市で、市の非物質文化遺産でもある通背拳の「恢复项目」の起動を宣言したという記事。具体的な中身がよくわからないけれど、「恢复项目」とは、本来の姿を回復させようというプロジェク…

『春繍刀』など 

2018年にいくつか見た映画について。 1.『春繍刀』 邦題:ブレイド・マスター 『箭士柳白猿』が『ジャッジ・アーチャー』という邦題でラインナップされていた2014年の東京・中国映画週間で上映された作品。スケジュールの都合で見に行けず、その後ずっと気に…

火焼少林寺 石友三、樊鐘秀、少林寺保衛団など

にわか勉強で前提知識がなさすぎるので、うまく纏められていないけれど、とりあえずの備忘録として。 ********* 軍閥混戦の時代、少林寺に火を放ったのは石友三と蘇明啓。 石友三は、以下の記事によると、多くの軍閥の中でも「寝返り(倒戈)」の回数が多く…

莫言『白檀の刑』など

義和団事件を扱った、いくつかのフィクション・ノンフィクション(籠城戦のあった北京以外の状況を描いたものを含む 注)を読み漁っているうちにこの小説にたどり着いた。 莫言の小説としては、このブログを始めるだいぶ前に読んだ『豊乳肥臀』に続けて二冊…

大学受験と武術3 武術特色学校など

2019年の「高考」で「武術と民族伝統体育」専攻は、2018年の51校から1校増えて52校が募集を行うらしい(注)。52校は具体的には以下のとおりで、昨年から増えたのは山西大学。 専攻は「武术套路」、「武术散打」、「中国式摔跤」にわけられる。 北京体育大学…

ベルリンオリンピック代表団 番外編(ボクシング)

南京図書館の画像データベースをみていたら、「32軍西洋拳術隊」の写真がでてきた。 正確にいうとキャプションは「32军西洋拳术队赵允诸等一行五人,1936年抵沪参加西人青年会业余拳术比赛,图为选手合影」。 出典:http://www2.jslib.org.cn/was5/web/detai…

金庸『碧血剣』、小前亮『李巌と李自成』など

追悼記念で、金庸の『碧血剣』を読んだ。 金庸の小説の中では比較的短編だけれど、主人公の武術修行、武林流派の確執、美男美女の複雑な人間模様、正義と悪が入れ替わるところなど、金庸小説のエッセンスは詰まっていて、自分としては充分に楽しめた。 碧血…

中国体操学校、清末の日本人教習など

前回のメモの後半で少し触れた呉志青については、最近、別途入手した『明清徽州武術研究』にも、同地方出身の代表的武術家ということで詳しく紹介されていた。 その内容は、例によって『中国武術人名事典』の記述と一致しないところもあるのだけれど、上海の…

『北京籠城 北京籠城日記』、寧夏馬家軍、『国術理論概要』など

少し前に、義和団事件の北京籠城を題材にした松岡圭祐の小説『黄砂の籠城』『黄砂の進撃』を読んだ。時々刻々の展開は手に汗握るもので、エンターテイメントとしては面白かったけれど、籠城の具体的な経過を含めて、なんとなく違和感があったので、手元にあ…

訃報 金庸、レイモンド・チヨウ

中国武術そのものとは関係ないかもしれないけれど、中国武術やそれに結びついた文化を世界に広めるのに貢献したと思われる人物が二人、相次いでこの世を去った。 一人は武侠小説家の金庸。 10月30日に亡くなった。享年94歳。 news.dwnews.com 金庸については…

『武術の孤児』

10月28日、第31回東京国際映画祭で鑑賞。 上映はこの日を含む2回で、申し込みをした時点で、上映1回目(平日の夜)は満席、2回目(日曜日の午前)も残すところあとわずかというところだった。じっさい、日曜の早朝にもかかわらずほとんど満席の状態だった。 …

「フラッグ式/採点式」、実写版「ムーラン」など

またまたフォローアップ系の小ネタをいくつかまとめてメモ。 1.フラッグ式と採点式 ブレイクダンスの競技化についてメモしたとき、採点方式について、一対一の対戦形式による競技は、ブレイクダンスのストリート性と関係があるように考えたのだけれど、この…

馮驥才『神鞭』『鷹拳』など

掲題の小説の日本語訳が古本で安く手に入ったので読んでみた。 〇『神鞭』井口晃 湯山トミ子訳 北京外文出版社 ------- 『神鞭』は天津の市井を題材にした「怪世奇談」三部作の一つで、のこる『陰陽八卦』、『三寸金蓮』(文庫版では『纏足』と改題)も邦訳…

井上靖「壷」、全国武術運動会の新種目など(フォローアップ系小ネタ)

いくつか、過去のメモとの関係がありそうなフォローアップ系の小ネタをまとめてメモ。 1.井上靖「壷」 老舎の短編「断魂槍」との関連で、老舎が来日した際に語った話をもとに井上靖が書いたエッセイ「壺」をずっと読みたいと思っていたのだけれど、まさに灯…

胡奉三、葛月潭、千山の無量観など

百度の胡奉三の紹介に、やや唐突に「内外拳法の長所を集めて・・・」とでてくるのが不思議だと思っていたら、当時の東北地方の道教の領袖で奉天(瀋陽)の太清宮の葛月潭方丈の紹介のなかに、胡奉三とのつながりが書かれているのを見つけた。 葛月潭和胡奉三…

奉天省武道振興会から満映、シルク・ドゥ・ソレイユへ

いろいろな超人技を動画で紹介しているフェイスブックの「People are awsome」というページで、珍しく中国武術関係の動画が流れてきたと思ったら、シルク・ドゥ・ソレイユで活躍している、 “JJ” Zengjiao Jian の紹介だった。 www.facebook.com どこかで聞き…

民間武術組織および主要伝承者に関する調査 など

気がつかなかったけれど、今年の3月に、国家体育運動総局武術運動管理中心が、各地の武術管理部門に対して、管轄地域内の民間の武術団体と主要な伝承者について調査して報告するように指示する公文書を発出していた。 关于对民间武术组织及主要传承人进行普…

邱海洋「电影《师父》:徐浩峰对师徒制的批判」など

全日本剣道連盟居合道部の昇段審査の金銭授受問題に関して、スポーツ人類学の田辺元氏の書いた文章が興味深かった。 synodos.jp この文章をヒントに中国武術のことを考えてみたときに、 中国武術において「入門」とは、ある学習者が、身内のもの、すなわち門…

少林寺の中華人民共和国国旗掲揚 など

嵩山少林寺で中華人民共和国の国旗が掲げられたというニュースが流れてきた。 news.sina.com.cn 出典:继河南少林寺之后 湖南开福寺举行升国旗仪式_网易新闻 日本でも、NHKなどでさっそく報道されている。 www3.nhk.or.jp このような事態は少林寺の創建以来…

中国功夫文化発展委員会、国際功夫委員会など

8月21日に北京で「中国功夫文化の発展の方向と道筋を探る座談会」なるものが開催されていたらしい。 www.zggfwh.com 座談会を主催した中国功夫文化発展委員会は、公式ウェブサイトで自ら紹介するところによれば、中国文化部直属の社会主義文藝学会が2017年に…

世界武術功夫日

この八月、各地で開かれている賽事のなかで、「世界武術功夫日」と書いてあるものがあり、何かと思ったら国際武術連合会(IWUF)が、毎年8月8日または、8月8日以降最初に迎える土曜日を「世界武術功夫デー」するというキャンペーンをはじめていて、第一回にあ…

古典技法の復元に関するシンポジウム

気が付かなかったけれど、2017年の6月に、北京体育大学で、『紀效新書』「拳経捷要篇」に書かれた技法の復元に関するシンポジウムが開かれていた模様。 北京体育大学 記事から、シンポジウムには通背纏拳の陳国鎖、心意六合拳の沈錦康、翻子拳の靳万発、太乙…

ブレイクダンスの競技化、からの頭の体操

畑違いなのでぜんぜん知らなかったけれど、ブレイクダンス(ブレイキンというらしい)は今年10月にブエノスアイレスで開催されるユースオリンピック(15~18歳対象)の競技種目に採用されていて、今年5月にはその最終予選を兼ねた「第1回世界ユース選…

「昆侖大師杯」全国潭腿伝統武術精英賽など

7月14日と15日、河北省邢台市の臨西県で潭腿と伝統武術の競技会が開かれたというニュースが流れてきた。正式な名称は「「昆侖大師杯」全国潭腿伝統武術精英賽」というらしく(注1)、開催は去年に引き続き今年で2回目になるらしい。 ここでいう「潭腿伝統武…

「パス回し」からの頭の体操

サッカーのロシア・ワールドカップで日本がとった、パス回しの作戦に関連して、為水大氏のコラムが面白かった。 www.nikkansports.com 氏のコラムのポイントは、以下の三点。 (1)W杯はエンターテインメントか勝負か (2)ルールにないことはどの程度ま…

「禿鷹」計春華

7月11日、計春華がなくなった。享年なんと56歳(注)。 出典:http://www.kwongwah.com.my/?p=543788 浙江省武術隊を経てスクリーンデビューは1982年の『少林寺』での「禿鷹」。あのころ20代になったばかりというのが信じられないけれど、不敵にニヤリと笑…

明清塩政と武術、張之萬など

中華武術網に滄州の広告会社がつくった滄州武術のプロモーション映像があり、そこに八極拳の呉鐘は河間塩運司の呉氏の子孫だと紹介されていた。 www.wushu520.com これは、呉氏の祖先の祚永公が明の永楽初に河間府滄州塩運分司運判に任じ、安徽の徽州府歙県…

毛主席語録紅小兵操

ネットで、「毛主席語録紅小兵操」について紹介した画像つきの記事を見つけたのでとりあえずメモ。この体操を作ったのは「北京師大体育系革命会「毛主席語録紅小兵操」創編組」らしい。いわゆる「語録拳」とは違うのだと思うけれど、画像をみると「弓歩衝拳…